日本経団連タイムス No.2988 (2010年3月11日)

アジア大洋州地域大使との懇談会を開催

−アジアと日本の成長へ官民連携強化で認識共有


日本経団連は2月25日、日本商工会議所とともにアジア大洋州地域大使との懇談会を開催し、福山哲郎外務副大臣、アジア大洋州地域の在外公館から28名の大使、および外務省、経済産業省から幹部を招き、アジア経済の成長戦略における官民連携をテーマに意見交換を行った。

冒頭、御手洗冨士夫会長は、「会長就任以来、一貫してアジア重視の民間外交を推進してきた。ASEANならびに主だった諸国との経済連携協定(EPA)締結が実現したことは、外務省、経済産業省、各国地域大使の尽力と官民連携の賜物である」と述べた。

また、「昨年の日中韓ビジネスサミット、メコン5カ国首脳との懇談会、および2回にわたる日本経団連ASEANミッションにおいて、アジアの成長に向けた日本の役割への期待が大きいことを再認識した」と述べるとともに、「大規模なインフラ整備案件において、今や世界の潮流となっている官民連携について、わが国も強化を図ることが重要である」と指摘した。

続いて、福山外務副大臣は、「アジアと共に成長し、国際競争力を高めていくことが成長戦略には必須である」と述べ、「外務省、経済産業省をはじめ各省庁が連携をとり、官民オールジャパンの取り組みとなるように、政権としても努力していきたい」と語った。

その後、岡田秀一経済産業省通商政策局長から同省のアジア政策について説明があり、続いて、宮本雄二駐中国大使、堂道秀明駐インド大使、坂場三男駐ベトナム大使、小島高明駐オーストラリア大使から各国情勢と両国関係の課題について説明があった。

適切な官民のリスク分担が必要

次に、経済界を代表して発言した槍田松瑩日本経団連副会長は、アジアの広域インフラ整備において、日本の最先端技術を搭載するハードウェアだけではなく、プロジェクトの運営技術等のソフトウェアを盛り込み、パッケージを組成し、受注を目指すといった強力な官民連携の体制づくりが必要であると述べた。

続く意見交換では、経済界から前田晃伸日本経団連副会長、清水正孝日本経団連副会長、大橋光夫日本経団連評議員会副議長、三村明夫日豪経済委員会会長らが、大規模プロジェクトにおける官民の適切なリスク分担のあり方、諸外国との関係構築における在外公館への期待、中国の内陸市場への進出における官民連携等について発言した。福山外務副大臣は、民間が対応できないリスクについては、政府として何らかの対応を考えていきたいと述べた。

【国際協力本部】
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