日本経団連タイムス No.2988 (2010年3月11日)

御手洗会長記者会見


日本経団連の御手洗冨士夫会長は8日、東京・大手町の経団連会館で会長・副会長会議後に記者会見を行った。

冒頭、御手洗会長は政治寄付について「昨年の総選挙によって、わが国もいよいよ、本格的な政権交代可能な時代に突入した」との認識を示したうえで、「このような時代においては、経団連の政策評価は硬直的で柔軟性に欠け、時代の変化に十分に対応していないと思っている。これは、昨年、実質的に評価を見送らざるを得なかったことにも示されている」と述べた。そこで、従来のように、民主党と自民党を評価し、その結果を政治寄付の参考材料として提供することは取りやめる、と説明した。

各企業が政治寄付を実施する場合には、「これまで同様、社会貢献の観点から自発的に実施してほしい」と発言した。

さらに、日本経団連として政策を提言する以上、それがどの程度実現し、何が課題として残っているのかを検証することは重要であると強調。「今後は『政策提言のPDCA』の観点から、適切な方法を検討したい」とした。また、個人寄付の拡大も重要であり、日本経団連としてもその方策を検討していきたいとの意向を示した。

企業統治に関する内閣府令改正案について問われた御手洗会長は、問題の多い改正案であるとの考えを示し、「年度末になって、当年度から適用するという改正案を提示されても現場が混乱する。近年、四半期報告や内部統制報告など開示が充実するなかで、さらなる対応を求められれば、コスト負担も増大する」と問題点を指摘した。また、欧米企業と報酬体系や水準が異なるなかで、役員報酬が個別に開示されれば、プライバシーやセキュリティーの問題が生じるとの懸念を示した。

また、住宅版エコポイントについては、「住宅版エコポイントは、内需の柱の1つである住宅投資の活性化に資するものである。温暖化対策のうえでも有効であり、政策効果を期待している」と述べた。

【社会広報本部】
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