日本経団連タイムス No.2993 (2010年4月15日)

中国委員会実務ミッションが浙江省訪問

−省政府や現地企業トップらと意見交換


アリババ本社前での視察団メンバー
浙江省人民政府・夏副秘書長との懇談風景

日本経団連の中国委員会は、会員企業の中国理解を増進し、対中ビジネス促進の一助とするため、3月31日から4月2日の日程で中国浙江省に実務ミッションを派遣した。ミッションには、日本経団連の讃井暢子常務理事を団長に、会員13社から合計20名が参加、省政府との懇談や民営企業を中心とした企業訪問を行い、浙江省経済の順調な発展を支える第一線の幹部と交流した。

■ 省政府訪問

省政府への訪問では、浙江省人民政府の夏海偉副秘書長から浙江省の経済について詳細な説明を受けるとともに、活発な意見交換を行った。夏副秘書長は、浙江省の経済も世界不況の影響を受け、2009年の貿易量は前年比で11%減少したが、政府の景気刺激策に加えて、日本企業を含む民間企業の活動の貢献により、GDPは前年比8.9%増の成長となったと説明。また、既に約200社の日本企業が進出しており、日本企業の環境、省エネ、物流、IT等の先端技術の同省経済発展への貢献に対する強い期待を表明した。

■ 企業訪問

企業訪問では、大手電子商取引のアリババ、計測機器製造の浙江聚光科技、太陽光発電パネル製造の正泰太陽エネルギー科技等、約10社を訪問し、各社の経営トップから直接、事業内容や事業戦略について説明を受けた。冷凍食品加工会社の浙江新迪国際食品では、食の安全に関する意識の高まりに対応するため、自社による有機栽培農園の確保や、国の安全基準を上回る自社基準の運用について説明を聞き、日本企業のLEDを利用した無農薬栽培技術での協力について意見交換を行った。テレビ通販会社の浙江テレビ好易購では、消費者の旺盛な購買力によりテレビ通販も急速な成長を遂げているとの説明を受け、番組の編成、商品説明方法、カタログやインターネットとの融合に関して、日本のテレビ通販との相違点などについて情報交換を行った。

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浙江省は常駐人口約5200万人。経済規模、1人当たり所得ともに中国の一級行政区のなかで4位に位置する。2010年も9%の成長が見込まれている。

【国際協力本部】
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