日本経団連タイムス No.2994 (2010年4月22日)

レテルメ・ベルギー首相と御手洗会長が意見を交換

−ベルギーへの投資や日EU・FTAで


日本経団連の御手洗冨士夫会長は8日、東京・大手町の経団連会館で、鳩山首相との会談等のため来日したイヴ・レテルメ・ベルギー首相と懇談した。レテルメ首相はそれに先立ち、横山進一共同委員長らヨーロッパ地域委員会委員との昼食懇談会に出席した。当日のレテルメ首相の発言概要は次のとおり。

レテルメ首相(左)と握手する御手洗会長

ベルギーにとって日本はアジアのなかで最も重要な国であり、在京新大使館の落成は、わが国がいかに日本を重視しているかを象徴している。日本からはすでに220社以上がベルギーに進出、2万5000人以上の雇用を創出しており、日本企業のベルギー経済への貢献に改めて感謝したい。

今年2月に日白協会兼商工会議所が発表したベルギーと周辺国の投資環境の比較に関する報告書によれば、ベルギーは世界で最もグローバル化された国と評価されている。ベルギーの強みは欧州の中心に位置し、5億人の人口を擁するEU市場へのゲートウェイの役割を果たしていること、また、物流インフラが充実しており、多言語を操るなど高度なスキルを備えた労働者が豊富であること等である。こうした強みをさらに磨いて投資環境を改善し、引き続き、より多くの企業を誘致したい。

世界的な金融・経済危機の影響により2009年はマイナス成長となったが、直近のデータはプラスに転じており、2010年には1.5%成長を見込んでいる。政府は景気刺激策において、労働生産性、研究開発・イノベーション、教育訓練、物流、投資環境の5つを優先分野に定め、経済を安定的な回復軌道に乗せるべく取り組んでいる。

ベルギー政府は、EUが日本と自由貿易協定(FTA)を締結することに賛成である。今月末に開催される日・EU定期首脳協議は、日・EUFTAへ道を開くような、広範な研究を開始する好機と考えている。FTAが締結されれば、日・ベルギー間により公正な貿易関係を構築することができ、双方にメリットをもたらすはずである。

【国際経済本部】
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