日本経団連タイムス No.2999 (2010年6月3日)

定時総会開催、米倉新会長を選任

−新体制の下で「決議」を採択/2010年度事業計画承認


経団連(米倉弘昌会長)は5月27日、東京・大手町の経団連会館で定時総会を開催した。総会には経団連の会員代表者約550名が出席。2期4年にわたって会長を務めた御手洗冨士夫・キヤノン会長が退任し、新会長に米倉弘昌・住友化学会長が選任された。また、役員改選、2009年度事業報告や2010年度事業計画・収支計算書・財務諸表・収支予算書、総会決議「民間活力で経済を再生し世界に貢献する」などの議件がすべて承認され、新たな体制と活動方針が決定した。

当日は、鳩山由紀夫総理大臣が来賓として出席し、「御手洗前会長は、リーマン・ショックなど世界経済が大揺れに揺れるなかで高い指導力を発揮した。その結果、日本経済も厳しい状況から、明るさが見える状況になってきた」と指摘。また、米倉新会長には、「世界、アジアにおいて、まさに日本ありという存在感を示し、日本経済を牽引してほしい」との期待を示した。


開会あいさつ

壇上で握手する御手洗前会長
(右)と米倉新会長

開会あいさつで御手洗前会長は、就任以来の4年間を振り返り、07年1月のビジョン「希望の国、日本」に基づいて優先課題の実現に取り組んできたことを紹介。主な成果として、研究開発投資促進税制の拡充によるイノベーション加速の環境整備、アジア諸国とのEPA(経済連携協定)の締結、少子化対策・雇用対策の推進を挙げた。

国内の当面の課題としては、デフレを克服し、日本経済を自律的な成長軌道に乗せることを挙げ、(1)成長戦略の実施(2)企業の国際競争力強化を通じた雇用の創出(3)税・財政・社会保障の一体改革の推進――の重要性を改めて強調した。

米倉新会長就任あいさつ

あいさつに立った米倉新会長は、経団連が取り組むべき課題のなかでも、とりわけ重要なものとして、(1)日本企業の国際競争力の向上を通じた「企業活力による成長の実現」(2)各国の民間経済界とのネットワークの強化や、グローバルな高度人材の育成による「世界への貢献」(3)政府、政党、国民など、企業を取り巻くさまざまなステークホルダーとのコミュニケーションを深める「政治や社会との対話」――の3つを挙げた。

また、今こそ、経営者は自信を持とうと訴え、民間企業・団体を代表する、国民とともに歩む経団連として、新しい日本経済の構築に向け、リーダーシップを発揮していくとの決意を示した。

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パーティーで出席者と歓談する米倉会長(左)

総会終了後には記念パーティーが開催され、経済界、政界、各国大使館などから約750名が出席。会場では、多数の出席者が米倉新会長を囲んで就任を祝うとともに激励した。



【総務本部】
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