日本経団連タイムス No.3025 (2011年1月1日)

片山総務相・内閣府特命担当相との懇談会を開催

−道州制、電子行政・情報通信、総合特区制度など


日本経団連は12月13日、東京・大手町の経団連会館で、片山善博総務大臣・内閣府特命担当大臣(地域主権推進)地域活性化担当との懇談会を開催した。当日は、片山大臣のほか内閣府の平野達男副大臣、総務省の平岡秀夫副大臣、鈴木克昌副大臣、逢坂誠二大臣政務官らが、経団連から米倉弘昌会長、副会長らが出席した。

冒頭あいさつした米倉会長は、厳しい経済情勢が続くなかで行政の効率化や地域経済の活性化を図るとともに、民間活力を基軸として経済成長を実現する必要があるとの認識を示し、こうした観点から「サンライズ・レポート」を公表したことを紹介。民間活力による新しい経済成長のモデルを実現するためには、総合特区制度の活用、電子行政や道州制の導入が欠かせないと強調し、政治の強いリーダーシップを求めた。

■ 意見交換

意見交換では、経団連側から、「関西広域連合の設立や九州知事会の広域行政機構の提案など各地域で広域行政を推進する声が高まるなか、地方行政に精通した片山大臣の知見を活かし、道州制と地域主権改革を実行に移すようお願いしたい」(池田弘一評議員会副議長)、「サンライズ・レポートでは、環境や医療等の今後の成長分野において先端技術等を結集し実証実験を行う未来都市モデルプロジェクトを提案した。これは政府の総合特区制度にも通じるもので、民間の創意工夫を引き出す思い切った規制緩和、大胆な予算、税制等の支援措置を一元的に講じるとともに、柔軟な制度設計をお願いしたい」(岩沙弘道副会長)、「現在検討が進んでいる社会保障と税の番号制度は、国民が豊かさを実感することができる電子行政の実現、さらには民間との連携による国民の利便性向上や効率性向上につながる発展性を持たせた制度となることが必要である。また情報通信技術の利活用を推進するためには、医療、教育分野などの規制、制度の見直しが必要であり、日進月歩の技術革新に沿った取り組みを期待する」(渡辺捷昭副会長)などの発言があった。

これに対し片山大臣からは、「道州制を何の目的で進めるのか共通の理解を得ていくことが重要であり、まずは地域の発意に基づく広域化を支援してまいりたい。地方からも要望のある出先機関改革は、国としてアクションプランを策定していく」「総合特区制度はできるだけ柔軟で使い勝手の良いものにすべきで、地域から要請のあった規制を包括的に緩和するなど、従来の構造改革特区の考えを変えていくことが必要である。何の規制を国に残すべきなのか、挙証責任を国側に課すなど今までのあり方を転換するよう取り組みたい」「わが国の情報通信分野は、ハード面の整備は進んでいるものの利活用に課題がある。医療、教育分野などで規制・制度の見直しを進めることが重要である」とのコメントがあった。

米倉会長(左)と片山総務相
【産業政策本部】
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