日本経団連タイムス No.3037 (2011年3月31日)

米倉会長記者会見

−東北地方太平洋沖地震からの復旧・復興への取り組みなど


日本経団連の米倉弘昌会長は28日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

東北地方太平洋沖地震からの復旧・復興に向けた取り組みについて米倉会長は、「震災後2週間の対応を見ると、関係者の尽力で被災者の救援についてはそれなりの成果があった。当初滞っていた救援物資の輸送やガソリン燃料の補給もスムーズになってきた」との認識を示したうえで、経団連が各県とのホットラインを設置してニーズを把握し、救援物資を届けるルートを海路、空路で構築していることを紹介した。そのうえで、今後さらに復旧・復興のスピードを速めることが重要として、「強力なリーダーシップを発揮できる体制の構築」と「国民が総力を挙げて、復旧・復興に取り組むこと」が重要と強調。経団連としても最大限の努力をしていきたいと述べた。

電力不足については、「節電を呼びかけるとともに自家発電の再稼働を含め産業界もできる限り協力していく。夏場には電力の需給がさらに逼迫するため、さらに知恵を絞って対策を講じていく必要がある」と指摘する一方、「生産を減らさず経済を支えていくことも必要であり、部品工場の被災など世界経済への影響が懸念されるが、日本国内の生産体制の遅れでこれ以上影響を与えないようにしなければならない」との考えを示した。

また、復興のための財源について、高速道路料金の引き下げや子ども手当等の分の財源を充てても足りないのであれば、明確な財政健全化の方針のもとでの国債発行や税制全般について考えていかなければならないと指摘。法人税の引き下げを取りやめることも考えられると述べた。

最後に米倉会長は、今回の震災では多くの方々が被災され、国民全体が悲しみを共有し、さまざまな活動を自粛する向きもあるが、復旧・復興に向けて、4月以降、経済を活性化させる活動は進めていくべきとの考えを示した。

【社会広報本部】
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