経団連タイムス No.3045 (2011年6月16日)

北京で日中グリーンエキスポを開催

−日本から65社出展、2万人が来場


開幕式に臨む米倉会長ら経団連代表団

経団連は日中両国政府の支援を得て、中国国際貿易促進委員会(国貿促)とともに1日から3日の3日間、北京の中国ナショナルコンベンションセンターで日中グリーンエキスポを開催した。同エキスポは、昨年5月の経団連訪中ミッションの折に、経団連から温家宝総理をはじめとする中国国務院首脳に提案、賛同を得て開催されたもの。会期中、日本企業等65社・団体、中国企業・地方政府27社・団体が出展し、両国の環境分野の専門家や企業関係者など、約2万人が来場。記念フォーラムでの両国代表企業等のトップによる37の講演や省エネ、高効率発電、水ビジネス等9つの環境テーマに関する45の専門セミナーを開催した。

開幕式には、来賓として、日本側から菊田真紀子外務大臣政務官、関総一郎経済産業省大臣官房審議官、西尾哲茂環境省特別参与、中国側から白立忱全国政治協商会議副主席、李幹傑環境保護部副部長、朱宏任工業信息化部総工程師、趙勇河北省常務副省長らが出席した。

来賓あいさつで、白副主席は、第12次五カ年計画の柱である「質を重視した経済構造への転換」を実現していくうえで、省エネ、新エネルギー、環境保護関連技術等の分野での日本からの協力を期待すると述べた。菊田政務官は、両国の環境・省エネルギーに向けた取り組みが進むなかで、両国間の戦略的互恵関係が深化するよう祈念するとあいさつした。

主催者を代表してあいさつした米倉弘昌経団連会長は、緊急援助隊の派遣など中国の多大なる震災復興支援に謝意を示したうえで、日本の経済界は、国難ともいうべき厳しい状況にあっても、諸外国との経済活動や人的交流を維持・継続していく考えであり、その一環として同エキスポを位置付けていると述べた。その後、米倉会長から国貿促の万季飛会長に、中国の震災支援に対する感謝状を贈った。

記念フォーラムで、御手洗冨士夫名誉会長は、環境分野の人的交流の重要性を強調。渡文明評議員会議長は、環境に配慮した新しいエネルギー社会を築くために燃料電池の活用を提案し、榊原定征前副会長は、炭素繊維の活用による航空機の軽量化で消費燃料を飛躍的に節約できるなど、先端材料の活用メリットを紹介した。また、西田厚聰副会長は、熱効率の高い火力発電技術やスマートグリッドなどの環境技術の活用を提案した。このほか日中双方より、環境保護・省エネ・新エネルギーなどの分野において、日中で協力できる可能性が高いとの意見が多数あった。

会期中、米倉会長はじめ経団連代表は李克強副総理を表敬訪問した。李副総理は、環境分野における日本の経験から多くを学びたいと述べるとともに、環境分野の先端技術を有する日本企業にとって中国が大きな市場であることを認識してほしいと繰り返し強調した。

最終日には、中国側組織委員会の名誉主任である唐家セン中日友好協会名誉顧問一行が日本企業の展示を視察し、日本企業の環境分野での技術水準の高さを評価した。

【国際協力本部】
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