経団連タイムス No.3047 (2011年6月30日)

「復興創生に向けた緊急アピール」公表

−復興基本計画の策定など一刻も早い復興施策実行を


経団連は24日、「東日本大震災復興基本法」が同日施行されたことを受け、一刻も早く国が復興基本計画を策定するとともに、復興特区制度の創設と復興庁の設置を進めるよう、「復興創生に向けた緊急アピール」を公表した。全文は次のとおり。

復興創生に向けた緊急アピール

東日本大震災から106日を経過した今日、ようやく復興基本法が施行されるところとなった。国を挙げての復興が未来を切り拓くことを強く期待する。

今後は基本法に定められた手順を加速しなければならない。とりわけ、国全体としての復興基本計画が不在のまま、各地方公共団体、各省庁の復興計画が独自に進む現状を放置するならば、なし崩し的な理念なき原状復帰に陥りかねない。復興本部において速やかに基本方針と復興基本計画を定め、復興特区制度と復興庁の設立法案を今国会に提出して成立を期すべきである。その際、下記事項への特段の配慮を要望する。

1.基本方針と復興基本計画の策定

国として被災地域を含む日本全体の復興と創生の道筋を示す必要がある。基本方針と復興基本計画を第2次補正予算前に定め、あらゆる復興計画を復興基本計画と整合性の取れたものとすることにより、国および地方公共団体による諸施策の一体的な推進を図るべきである。

2.大胆かつ柔軟な復興特区制度の創設

上記計画の実施にあたり、地域の発意と創意工夫、民間の活力を活用しながらスピード感をもって復興・創生を遂げるため、復興特区制度により、前例にとらわれない思い切った税・財政・金融・規制および行政事務上の特例措置を機動的に講ずることが不可欠である。同制度は、まちづくり、産業復興、インフラ整備、雇用の維持・確保等、あらゆる分野に包括的に適用可能な、使いやすい制度とすべきである。

3.復興庁の早期設置

復興庁は、復興政策の企画・立案や事業の実施等に全権を有する組織としなければならない。復興政策に関わる中央政府の権限を集約するのはもちろん、全府省に対する指揮命令権を付与すべきである。被災地における国の機能・活動についても、復興庁の現地事務所に集約すべきは言うまでもない。

【産業政策本部】
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