経団連タイムス No.3053 (2011年9月1日)

経済広報センターが「ボランティア活動に関する意識・実態調査」結果発表

−ボランティア活動への意識、67%が東日本大震災により“高まった”


経済広報センター(米倉弘昌会長)は7月28日、「ボランティア活動に関する意識・実態調査」の結果を取りまとめ、発表した。
調査対象は、全国のさまざまな職種、世代で構成される同センターの「社会広聴会員」のなかで、インターネットで回答可能なeネット社会広聴会員(4380人)。2011年5月19日〜30日に実施し、1983人から回答を得た(有効回答率62.5%)。調査結果の概要は次のとおり。

■ ボランティア活動の経験、活動のきっかけ

「現在ボランティア活動を行っている」(27%)と「過去にボランティア活動をしたことがある」(38%)との回答を合わせると6割を超えている。
世代別では、近年、ボランティア活動が学校課程で取り上げられており、「過去にボランティア活動をしたことがある」割合は29歳以下が最も高い。他方、世代が上がるほど「現在ボランティア活動を行っている」割合が高かった。
ボランティア活動を経験した回答者を対象に、経験したボランティア活動を聞いたところ、「地域コミュニティーにかかわる活動(美化・防犯・防災など)」(58%)、「公的イベント運営協力など、スポーツ・文化・芸術分野での活動」(35%)の割合が高い。
ボランティア活動に参加するきっかけとなった理由としては、「所属する町内自治会、市民団体などの活動の一環」との回答が経験者の34%を占める。次いで「友人や家族からの誘い」(20%)が挙げられている。

■ ボランティア活動をして感じたこと

ボランティア活動を通して感じたことを聞いたところ、経験者の9割以上が「時間を有意義に過ごせた」(91%)、「活動をして楽しかった」(90%)と思っていると回答している。一方で「生きがいを見つけられた」「社会的な評価を得られた」と思うと答えたのは半数以下である。

■ ボランティア活動をしなかった・できなかった理由

「ボランティア活動の経験はない」と回答した人に理由を聞くと、半数以上(53%)が「身近な所に適当な活動の場がなかった」と回答している。次いで「忙しくて時間が取れなかった」が45%である。なお「ボランティア活動に興味がなかった」と答えた人は19%、「そもそも活動したくない」は4%である。

■ 東日本大震災によるボランティア活動への意識の変化

東日本大震災をきっかけに、ボランティア活動に対する意識が「高まった」(24%)、「ある程度高まった」(43%)との回答は、合わせて67%に達している。

■ ボランティア活動への参加意向

今後ボランティア活動に「参加したい」(19%)と「機会があれば参加したい」(64%)の総計は83%に達している。
世代別では、「参加したい」との回答は29歳以下(19%)と60歳以上(25%)が30〜50歳代に比べて高い割合となっている。「参加したいとは思わない」との回答は、他の世代が5%前後であるのに対し、29歳以下では14%である。

■ 参加したいボランティア活動

ボランティア活動に参加する意向がある人に、参加したい活動内容を聞いたところ、「地域コミュニティーにかかわる活動(美化・防犯・防災など)」が56%で、経験した活動と同じく第1位だった。経験した活動で第4位だった「環境保護・自然保護にかかわる活動」は約半数の47%で第2位となった。

■ ボランティア活動が盛んになるための条件

ボランティア活動が盛んになるための条件として、「ボランティア休暇など企業の支援施策」との回答が45%と最も多い。次いで「国や地方自治体による情報提供、相談窓口開設などの活動」「ボランティア活動団体の整備・充実」などが続く。

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同調査の詳細は、経済広報センター国内広報部(電話03‐6741‐0021)まで。

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