経団連タイムス No.3055 (2011年9月15日)

「ベトナム投資フォーラム」開催

−裾野産業の育成テーマに投資の可能性などで論議


約150名が参加したベトナム投資フォーラム

経団連(米倉弘昌会長)は5日、東京・大手町の経団連会館でベトナム計画投資省とともに、昨年に引き続き「ベトナム投資フォーラム」を開催した。ダン・フイ・ドン計画投資副大臣、グエン・フー・ビン駐日大使らが来賓として出席し、日越両国経済界から約150名が参加した。

今回のメインテーマである「裾野産業の育成」は、ベトナムが持続的成長を実現するうえで不可欠であり、経団連が共同議長を務める「競争力強化のための投資環境整備に関する日越共同イニシアティブ」における重要課題のひとつである。

フォーラムでは、ベトナム側から、裾野産業の現状や投資誘致・進出支援策について説明し、日本企業の同分野での投資可能性の検討のために、国際協力機構(JICA)や企業から、それぞれの具体的取り組みを紹介した。


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加藤委員長
ドン副大臣

フォーラムの冒頭あいさつで、経団連の加藤進日本ベトナム経済委員長は、今年7月に開始した日越共同イニシアティブの第4フェーズにおいて裾野産業育成の具体策の実行が重要な課題であると指摘し、ODAの窓口であるベトナム計画投資省のリーダーシップに期待を表明した。

続いてドン副大臣は、ベトナム経済は高い成長を続けているものの、裾野産業が整備されていないことから、多くの部品や完成品を輸入せざるを得ない問題があると述べた。そのうえで、政府として、国内外の裾野産業に関する投資、市場開発、技術開発、人材教育等を展開する投資家のために、さまざまな支援体制を用意していると述べ、ベトナムの裾野産業育成における日本企業の協力を求めた。

日越双方の出席者によるプレゼンテーションでは、ベトナム計画投資省および商工省幹部から、現在進めている裾野産業育成策や、裾野産業に特化した工業団地の建設計画等について紹介があった。

また、市川雅一JICA理事から、裾野産業の育成策立案のための専門家派遣や、中小企業の海外進出促進のための資金支援など、JICAによるベトナム裾野産業の育成支援について説明があった。

続いて、高橋恭平日本ベトナム経済委員会共同委員長から、裾野産業を育成するための方策として、電力不足の解消や知的財産権の保護などのビジネス環境の改善、裾野産業への投資に対するインセンティブの付与、十分な労働力の育成支援を提案した。

最後に、日本企業の実務担当者から、ベトナムの裾野産業への進出事例や人材育成策、また、ベトナムでの現地調達の現状に関する活動事例の紹介があった。

【国際協力本部】
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