経団連タイムス No.3058 (2011年10月6日)

東日本大震災「企業人ボランティアプログラム」報告会・参加者交流会開催


1%(ワンパーセント)クラブ(佐藤正敏会長)では、「災害ボランティア活動支援プロジェクト会議」(支援P)と連携し、4月下旬から8月上旬まで「企業人ボランティアプログラム」を実施した。この間、49社・グループから延べ642名が東日本大震災の被災地で活動した。震災発生から半年以上が経過し、現地で必要とするボランティア活動も変わってきていることから、22日、同プログラムの報告会を開催し、プログラムについて各社の社会貢献担当者に報告するとともに、今後の被災者支援のあり方について意見交換した。あわせて、全20回の参加者が一堂に集う交流会を開催したところ200名以上が出席し、次の支援につながる情報交換を行った。

大切なのは活動を次につないでいくこと、支援を継続していくこと

佐藤会長

冒頭のあいさつで佐藤会長は、「各企業が本業はもとより、社会貢献の一環として継続的に被災地の復興を支援することが大切だ。そのためには、社員が被災地を訪れて、被災者の方々が置かれた状況を理解し、会社としての機運を盛り上げることも必要である」とプログラムの意義を経営の視点から述べた。岩手県、宮城県、福島県の各県の活動に関する参加者代表からの報告では、活動を次につないでいくこと、周囲に呼びかけて共感の輪を広げていくこと、現地のニーズに適応して支援を長く続けていくことの大切さを訴えた。

パネルディスカッションでは、出し手である企業、送り手である1%クラブ、受け手である災害ボランティアセンターそれぞれの立場でプログラムを振り返った。社員が被災地で活動しやすいように休暇や資金的支援などを導入する、企業単独やグループでボランティアバスを運営する、参加者が自発的に取り組むなど、プログラムをきっかけにさまざまな動きが生まれていることが紹介された。また、日常的なボランティア活動が被災地での活動の幅を広げること、被災地支援のあり方について担当者がNPO関係者と一緒に検討することなど、平常時の活動が被災地支援にもつながっていくことを再確認した。

福島県で企業人ボランティアの受け手として調整を担った支援Pのメンバーからは、「神戸市では仮設住宅から復興住宅に移った後、隣の音が聞こえず孤独を感じることが苦しいという声が多く聞かれた。その教訓を踏まえて、隣近所の生活感が伝わり交流があるまちづくりをしていかねばならない。こうした被災者の状況をきちんと理解したうえで、引き続き被災地支援にご協力いただきたい」とのメッセージがあった。

パネルディスカッションでは出し手、送り手、受け手が
それぞれの立場からプログラムを振り返った
【ご参考】
被災地におけるボランティア活動の実施について
【政治社会本部】
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