経団連タイムス No.3068 (2012年1月1日)

東日本大震災での被災地支援、講演を聞き意見交換

−社会貢献推進委員会


経団連は12月8日、東京・大手町の経団連会館で、社会貢献推進委員会(古賀信行共同委員長、佐藤正敏共同委員長)を開催した。当日は約200名の参加者を得て、東日本大震災復興対策本部の岡本全勝事務局次長から「東日本大震災での被災者支援−官の役割、民の役割」と題して講演を聞くとともに、意見交換を行った。その後、「東日本大震災に関する被災者・被災地支援アンケート」調査結果<速報版>(別掲)について審議し、承認された。
岡本氏の講演要旨は次のとおり。

■ 政府の対応

通常の災害における被災者支援は自治体の業務であるが、今回の大震災は、被害が甚大かつ広範囲のうえ自治体自体が被災したことから、国も直接支援を行った。具体的には、3月20日に政府の一元的窓口として「被災者生活支援特別対策本部」を立ち上げ、緊急物資の調達と配送、被災者への支援情報の提供などを行った。

また、制度改正により、民間住宅等を借り上げて避難所等として活用することや、国が私有地のがれきを撤去することを可能とした。

さらに、雇用創出基金を創設して被災者を臨時に雇用したり、仮設工場・店舗を貸し出すことを可能にしたりし、雇用創出を通じた地域の復興に取り組んできた。

■ 企業の協力

政府の支援物資の調達にあたっては、243社・37団体から無償提供があった。また、物資の仕分けで民間物流事業者の協力を得るなど、企業から資金や物資のみならず、ノウハウと人を提供いただいた。さらに、企業による各種公共インフラの復旧も迅速だった。企業の尽力に深く感謝している。

企業が自らの社会的責任に基づいて自主的に支援活動に取り組んだことは、阪神大震災の時には見られなかった特徴である。

■ 被災地の復興に向けた期待

企業には、事業活動の再開による被災地域の暮らしの立て直しに協力いただきたい。とりわけ、雇用の確保が大きな課題である。復興に向け、引き続き民間の知恵と資金と人材を提供いただきたい。

【政治社会本部】
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