経団連タイムス No.3069 (2012年1月12日)

番号制度に関する説明を聞く

−向井内閣官房審議官らから


経団連は12月15日、東京・大手町の経団連会館で、内閣官房社会保障改革担当室の向井治紀審議官ならびに篠原俊博参事官から、番号制度について説明を聞き、意見交換した。会合には、経団連の情報通信委員会、電子行政推進委員会、税制委員会、社会保障委員会の関係部会委員ら約100名が参加。事前に提出した数十項目に及ぶ各社からの質問・意見に対して一つ一つ説明があった。説明の概要は次のとおり。

◇◇◇

番号制度については、野田佳彦総理を本部長とする政府・与党社会保障改革本部の下に、古川元久社会保障・税一体改革担当大臣を座長、関係省庁の副大臣等をメンバーとする「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会(以下、実務検討会)」を設置し検討を進めてきた。

民主党が「社会保障・税番号大綱に対する取りまとめ」を11月に公表するなど、与野党において番号制度に関する検討が進んでいる。各論で異なる点はあるものの、与野党ともに番号制度の必要性については一致している。

実務検討会では、ICカードやマイポータル(注)など、技術の進歩が見込まれる分野等は極力法律で縛らないという方針で、早期導入を目指して「マイナンバー法案」の検討を進めている。具体的には、(1)番号制度の所管を内閣府とする(2)情報連携基盤の所管は内閣府と総務省の共管とする(3)番号の変更請求は任意ではなく、一定の要件に該当した場合のみ認める(4)番号を含む個人情報は法律の規定によるもののみ提供可能とする(5)情報保護の監視を行う第三者機関はいわゆる三条委員会とする――予定である。

医療・介護などの診療情報への利用は今回の法案には盛り込まず、次々期通常国会に向け、医療等に関する機微性の高い個人情報保護法を制定したうえで、番号制度を適用していく予定である。

(注)マイポータル=一人ひとりが自分の番号(マイナンバー)に関する個人情報や行政機関等からのお知らせなどを確認できるサイト

<意見交換>

続く意見交換では、経団連側から、「企業が提出した支払調書等における番号情報に誤りがあった場合等の手続きが、企業に過度な負担とならないよう配慮すべき」「民間企業が番号の真正性を確認できる仕組みが必要」「民間のデータベース作成にあたって最新の住所情報等への更新は非常に重要であり、常に最新情報と同期化できる仕組みを検討すべき」などの意見があった。

これに対し社会保障改革担当室から、「事務処理の仕方は今後詰めていくが、企業に過度な負担や責任が生じない方向で検討する」「住所は変わるのが前提であり、各行政機関が常に最新の住所情報に同期することは想定していない。日本で最も悉皆(しっかい)性を備えているのは住民票コードであるため住基ネットを活用するが、各行政機関においては、住所は必要に応じて訂正するという取り扱いになると考えている」といった見解が示された。

【産業技術本部】
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