経団連タイムス No.3076 (2012年3月1日)

アリ・モザンビーク首相と懇談

−農業・鉱物資源開発への日本の協力に期待感示す/モザンビークの今後の開発戦略など説明を受け意見交換


発言するアリ首相

経団連(米倉弘昌会長)のサブサハラ地域委員会(土橋昭夫委員長)は2月21日、東京・大手町の経団連会館で、日本政府の招聘で来日したアリ・モザンビーク首相との懇談会を開催した。
懇談会には、日本、モザンビーク双方から総勢約60名が出席し、アリ首相から、モザンビークの今後の開発戦略等について説明を受けるとともに、意見交換を行った。
アリ首相の発言要旨は次のとおり。

モザンビークは、近年の経済成長を背景に、日本との経済関係が強化されており、日本企業の鉱物資源開発プロジェクトが進んでいる。政府は農業・食品産業の振興、中小企業の支援を重視しているので、日本の支援をお願いしたい。

わが国は長い海岸線と良質な港湾、内陸につながる幹線道路を有しており、南部アフリカ地域のみならず、アフリカ大陸全体への進出拠点となるポテンシャルがある。

農業分野では、わが国の北部で展開されているProSAVANAという日本・ブラジル・モザンビークの三国間協力のプロジェクトがある。このプロジェクトは、農業・畜産業、農産品加工業の振興に加えて、道路等のインフラの建設・修復や農業人材の育成などさまざまな開発目標を有している。日本企業にも大きなビジネスチャンスがある。

わが国政府は外国投資家の活動を容易にするため、税制などの面から、外国投資を支援し、保護する政策を打ち出している。わが国が投資環境を開かれたものとすることで、わが国のみならず、周辺国への投資も導かれる。

わが国は、投資の回収を行うのに最適な環境にある。政情は安定し、高い経済成長を継続している。また、天然資源が豊富で、勤勉な労働力があり、政府は外国資本にオープンである。ぜひ、日本企業に進出していただきたい。

◇◇◇

その後、黒川恒男国際協力機構(JICA)理事から補足のコメントがあり、モザンビークへの協力事例として、ナカラ港から隣国マラウィに至る地域、いわゆるナカラ回廊の開発計画について紹介、将来的にモザンビーク産業の背骨になると説明した。

懇談では、ナカラ回廊開発計画に関する出席企業からの質問に対し、アリ首相は、「ナカラ回廊開発は、インフラ整備を通じて、農業や製造業等への大きな波及効果が見込まれる。近い将来、中所得国になるという夢を実現するための中核プロジェクトである」と述べた。

【国際協力本部】
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