表紙イメージ 経済Trend ロゴ2011年2月号

経済成長の源泉としての観光
今月の表紙: 山田雅子 作 「すいせん」 (ふれあいアートステーション・ぎふ提供)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い作品を厳選してご紹介しています。

巻頭言

新秩序への思考転換が必要
畔柳信雄 (日本経団連評議員会副議長/三菱東京UFJ銀行会長)

特集
経済成長の源泉としての観光

多様な産業の密接な連携、広域的な取り組みが行われることにより、経済波及効果が拡大する観光。特に地域活性化の面では、雇用創出に期待がかかる。
今後は、訪日外国人観光客のさらなる増加、また国内旅行市場における新たな需要の掘り起こしに向け、日本の豊かな自然、文化、歴史、産業などの観光資源を再認識し、さらに磨きをかけることが求められる。
そうした観点から、本号では、成長戦略の一環として観光に焦点を当てる。
座談会
おもてなしの心で地域の魅力を高める
大塚陸毅 (日本経団連評議員会副議長・観光委員会共同委員長/東日本旅客鉄道会長)
日本はいま、少子高齢化や地域間の経済格差、外需依存など多くの課題を抱えている。観光産業は、内需振興・地域経済活性化という点で、これらの課題解決に貢献する産業だ。政府が「新成長戦略」などで成長分野の一つに位置付けたことからも、観光立国の実現は国家戦略である。官と民、中央と地域が連携して、観光立国を推進していくことが重要だ。
川勝平太 (静岡県知事)
富士山を仰ぐ静岡県は、自然・文化の粋が日本の縮図のように結集しており、豊富な観光資源を擁している。しかし、静岡県民が、その魅力を認識するには、自ら国内外を旅することで、相手を知り、己を知る必要がある。これは、鎖国志向を打破し、外国人を積極的に受け入れ、自然体で接することができるようになるために、どうしても必要だ。
セーラ・マリ・カミングス (桝一市村酒造場代表取締役)
地域の文化は、異人、客人(まれびと)を受け入れることで、新たなコラボレーションが生まれ、発展してきた。私自身の経験からも、文化摩擦を恐れることなく、外国人を受け入れる機会と仕組みをつくることが重要だと考える。その意味でも、海外からの若者を受け入れるための、ワーキングホリデーやオペア(Opea)などの制度を充実させることは、将来に向けた有益な投資となるだろう。
生江隆之 (司会:日本経団連観光委員会企画部会長/三井ホーム社長)
今後の「まちづくり」を観光コンテンツの開発の視点からとらえた場合、大切なのは、地域の歴史と伝統を活かした「まちづくり」である。三井不動産では、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」をコンセプトに、日本橋地域の活性化と新たな魅力を創造するプロジェクト「日本橋再生計画」を始動し、活動を続けている。

●あらためていまなぜ観光振興が重要か

●地域の個性を活かした新たな観光の可能性

●観光情報の戦略的な発信とハード・ソフト面でのインフラ整備

●日本の観光立国に向け、政府・自治体・企業が果たすべき役割

地域の“光”を国の“光”へ
〜「観光立国シンポジウム―わが国観光のフロンティアを切り拓く」を開催
山口範雄 (日本経団連評議員会副議長・観光委員会共同委員長/味の素会長)
MICE都市東京への挑戦
後藤高志 (西武ホールディングス社長)
アジアを代表する観光都市づくりにチャレンジする
澤田秀雄 (エイチ・アイ・エス会長)
次代の観光振興を担う人材の育成
村上和夫 (立教大学観光学部長・大学院観光学研究科委員長)
デジタルサイネージによる「観光立国」への貢献
宮部義幸 (パナソニック役員)
よりよいモビリティーによる観光促進
ベルナール・デルマス (日本ミシュランタイヤ社長)
世代を超えて伝えたい日本の心
〜「式年遷宮」が伝える伝統・文化
田中恆清 (伊勢神宮式年遷宮広報本部長/神社本庁総長)
観光イノベーションによる持続的経済成長
西田厚聰 (日本観光協会会長)
日本観光の魅力を伝える情報発信への取り組み
間宮忠敏 (日本政府観光局(JNTO)理事長)
統合リゾートによる経済成長の促進
シェルドン・G・アデルソン (ラスベガス・サンズ会長兼CEO)

提言
民間主導で日本経済の復活・再生に挑む
〜サンライズ・レポート
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/114.pdf
米倉弘昌 (日本経団連会長)
  • 「日昇る国」の実現に向けて
  • 課題解決型イノベーションモデルの構築
  • 日本経団連としての取り組み
  • 日本復活に向けた決意
安心で豊かさが実感できる番号制度の実現に向けて
〜豊かな国民生活の基盤としての番号制度の早期実現を求める
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/105/index.html
内田恒二 (日本経団連評議員会副議長・電子行政推進委員長/キヤノン社長)
秋草直之 (日本経団連電子行政推進委員会共同委員長/富士通相談役)
  • いまなぜ番号制度が必要か
  • 番号制度導入による効果は3兆円以上
  • 番号制度をどう利用するか
  • 将来的な発展性を考慮した制度設計を
日中韓自由貿易協定の早期締結を求める
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/107.html
大橋洋治 (日本経団連副会長・経済連携推進委員長/全日本空輸会長)
勝俣宣夫 (日本経団連評議員会副議長・経済連携推進委員会共同委員長/丸紅会長)
  • 日中韓FTAの主要論点
  • 早期成立に向けた取り組み
国際枠組構築に向けた課題と今後の展望
〜COP16を振り返って
坂根正弘 (日本経団連副会長・環境安全委員長/小松製作所会長)
二国間経済関係の一層の強化について地域別、分野別に議論
〜第18回日本トルコ合同経済委員会をイスタンブールで開催
梅田貞夫 (日本経団連日本トルコ経済委員長/鹿島建設会長)
10億人の飢餓救済を目指す
〜国連WFP協会会長に就任して
http://www.wfp.or.jp/
安藤宏基 (国際連合世界食糧計画WFP協会会長/日清食品ホールディングス社長)

● エッセイ「時の調べ」
ある宿場町の再生
池内 紀 (ドイツ文学者・エッセイスト)
● 経営者のひととき
渥美先生の「人間性」に触れた海外旅行
似鳥昭雄 (ニトリ社長)
● あの時、あの言葉
悩んでいる患者さんを助けることができる
芳井順一 (ツムラ社長)
● 翔べ!世界へ―奨学生体験記
憧れの米国公衆衛生大学院で学んで
西村由実子 (関西看護医療大学看護学部講師)
● NEW FACE 新会員紹介
アドバンテッジ リスク マネジメント
京葉銀行
大幸薬品
電通国際情報サービス

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