表紙イメージ 経済Trend ロゴ2011年3月号

労使一体となってグローバル競争に打ち勝つ
〜2011年春季労使交渉・協議に向けて
今月の表紙: 御宿文彦 作 「ぐるぐるがいっぱい」 (ふれあいアートステーション・ぎふ提供)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い作品を厳選してご紹介しています。

巻頭言

規制・制度改革の実現に向けて
岡 素之 (日本経団連評議員会副議長/住友商事会長)

特集
労使一体となってグローバル競争に打ち勝つ
〜2011年春季労使交渉・協議に向けて

厳しい経営環境にあって、労使は危機感を共有し、イノベーションの創出やグローバル経営の加速など、一体となって新たな成長への道を切り拓いていかなければならない。自社の支払能力に即した賃金決定や適切な総額人件費管理を徹底したうえ、モチベーションを高める方策などの課題を解決するような建設的な話し合いを行うことが重要である。
座談会
グローバル競争に勝ち抜く礎となる春の労使パートナーシップ対話を
大橋洋治 (日本経団連副会長・経営労働政策委員長/全日本空輸会長)
今次春季労使交渉・協議にあたっては、厳しい交渉が予想されるが、賃金決定は、自社を取り巻く経営環境を踏まえ、総額人件費管理の観点から、自社の支払能力に基づいて判断をすることが重要である。いままさに、労使が手を取り合いながら、グローバル競争に立ち向かっていかなければならない。
三浦 惺 (日本経団連副会長・地方団体長会議長・労働法規委員長/日本電信電話社長)
雇用形態が多様化し、雇用の流動化も進むなか、労使間をめぐる課題も多岐にわたっている。だからこそ、「戦う春闘」から「議論する春討」へと変わっていかなければならない。厳しいグローバル競争に打ち勝っていくために、労使双方が互いの立場を尊重しつつ建設的な議論を重ねて、自社の成長への道を切り拓いていく姿勢が重要である。
篠田和久 (日本経団連評議員会副議長・雇用委員長/王子製紙社長)
非正規労働者については、従業員間や雇用形態間の処遇の納得性を高める観点からも、一律的な引き上げではなく、「仕事・役割・貢献度」に照らして判断していくことも、一つの方策である。また、自社の内部留保を取り崩して、賃金引き上げの原資に充てるといった要求については、企業の持続的な成長と従業員の雇用を守ることと逆の効果を生むため、慎重に対応する企業が大半であろう。
中島厚志 (みずほ総合研究所専務執行役員・チーフエコノミスト)
日本企業は、欧米先進国と比較すると、リーマン・ショック以降も雇用を最優先で守ってきたことが数字に表れている。一方、将来に向けての投資の原資である内部留保を取り崩して賃金に回すことには、慎重になるべきだろう。1990年代にIT革命で息を吹き返した米国のように、日本企業も大きなイノベーションを起こすことが世界的な競争に伍していくために必要となるからだ。
川本裕康 (司会:日本経団連常務理事)

●日本企業を取り巻く環境について

●企業のグローバル化と持続的な成長を支える人材

●今次春季労使交渉・協議に臨む経営側の姿勢

2011春季生活闘争に向けた連合の考え方
古賀伸明 (日本労働組合総連合会会長)
2011年度の日本経済
〜踊り場を乗り越え回復軌道へ
岩田一政 (日本経済研究センター理事長)
経営を取り巻く現状と春季労使交渉を迎えて
位高光司 (京都経営者協会会長/日新電機特別顧問)
中小企業における海外展開と構造転換の課題
山田伸顯 (大田区産業振興協会専務理事)
グローバリゼーション下のグローバル人材の育成
白木三秀 (早稲田大学政治経済学術院教授)
2011年版経営労働政策委員会報告概要
(日本経団連労働政策本部)
企業事例−WLBの推進
経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス
阿久沢哲夫 (大和証券グループ本社執行役)
  • 良い会社の三つの条件
  • 女性活躍支援からWLB推進へ
  • 19時前退社の励行、年休取得の促進
  • 持続的に成長する会社へ
企業事例−グローバル人材の確保・育成
グローバル対応力を引き上げる日立グループの取り組み
大野健二 (日立製作所執行役常務)
  • 事業形態にあわせた計画的リソース確保の視点
  • グローバル人財像と採用活動
  • 従業員のグローバル対応力の引き上げ
  • 経営者育成
  • 多様な異動を可能にする仕組みづくり
  • 価値観の共有
肩肘を張らずに「居甲斐」を持って
日置政克 (小松製作所常務執行役員)
  • ブリッジ人材としての駐在員
  • 経営の現地化が基本
  • コマツウェイ
  • 肩肘を張らずに
多様な人材をグローバルなフィールドでたゆみなく育成する
日本郵船人事グループ GHRチーム
  • NYKグループのHR理念
  • グローバル人事の組織
  • グローバル人材の育成
  • 海上職員の育成

グローバル人材育成に向けて求められる産業界と大学との連携
〜「産業界の求める人材像と大学教育への期待」アンケート結果
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/005/index.html
石原邦夫 (日本経団連教育問題委員会共同委員長/東京海上日動火災保険会長)
第114回 日本経団連労使フォーラム
持続的な成長の実現を目指して
〜強みを活かし、チャレンジする人材を育てる
(日本経団連事業サービス)
安心で安全な社会の構築とドクターヘリ
國松孝次 (救急ヘリ病院ネットワーク理事長)

● 経営者のひととき
ライブビューイングの魅力
迫本淳一 (松竹社長)
● エッセイ「時の調べ」
鉄道の時間〜鉄道の正確な運行がもたらすもの
池口英司 (鉄道ジャーナリスト)
● 翔べ!世界へ―奨学生体験記
友人の存在こそ「平和」と「国際理解」
菅原浩史 (菰田法律事務所弁護士)
● NEW FACE 新会員紹介
トヨタホーム

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