経団連の最近の動き

(1997年1月)

「経団連インフォメーション」の記事より


ロシアタンカー油流出事故について(No.3)

「日本型コーポレート・ベンチャーを目指して」を取りまとめ

経団連新産業・新事業委員会企画部会(部会長:古見日興リサーチセンター社長)では、昨年末、標記報告書を取りまとめ、公表した。
この報告書は、昨年5月の定時総会において、豊田会長が1社以上のベンチャー企業を立ち上げるよう呼びかけたことを受け、当企画部会で検討を始めたものである。
本書は2部構成となっており、第1部は、主要14社における新規事業開拓の経験を会社別に掲載している。第2部は、各社の事例から得られた新規事業開拓の成功要因や失敗要因、それらから得られた教訓等を整理している。
本報告書は、希望者に配付のほか、経団連ホームページに全文を掲載している。

ロシアタンカー重油流出事故について(続報)

経団連では、福井県三国町に続き、19日に能登半島西岸の石川県輪島市、珠洲(すず)市に職員を派遣し、日本NPOセンター、大阪ボランティア協会(06-357-5741,0044)とも連携をとりながら情報収集に当たっている。
〔義援金〕
殆どの自治体は義援金の使途を決めていないが、ボランティア活動や自然環境復元支援の面では、以下の3口座がある。
  • 『三国町社会福祉協議会 森安一男:福井中央金庫本店 普通 071294』(ボランティア)
  • 『珠洲市ロシアタンカー油流出事故災害対策ボランティア義援金:北国銀行珠洲支店 普通 122174』(ボランティア)
  • 『珠洲市ロシアタンカー油流出事故災害対策自然環境復元義援金:北国銀行珠洲支店 普通 122132』(海鳥の餌場などの復元)

〔各社の支援状況(1月23日現在)〕
  • ドラム缶等:伊藤忠商事、住友化学、東洋ゴム、古河電工、日本塗料工業会、ブリヂストン
  • 油吸着シート:帝人
  • フォークリフト提供:日産自動車
  • その他必要物資:ダイエー、ライオン、アイシン精機、松下電器、朝日生命、積水化学、NTT、アサヒビール
  • ビデオ機器等:ソニー、NEC

国際的大競争時代に対応した企業結合規制の抜本的見直しを

経団連競争政策委員会(委員長:弓倉旭化成工業社長)は、独禁法による企業結合規制の抜本的見直しを求める提言をとりまとめた。
この提言では、従来より経団連が強く要望してきた持株会社の早期解禁に加えて、大規模事業会社の株式保有総額規制の撤廃、合併や営業譲受の審査において国内市場シェア以外の要素の一層の重視、株式所有報告制度など各種届出制度の撤廃又は簡素化を求めている。
今月28日の理事会における審議を経たうえで、公正取引委員会ならびに政府・与党に建議し、企業結合規制全般の抜本的見直しを早急に図るよう求めていく。

「日米安全保障産業フォーラム」開催

経団連防衛生産委員会では、今月31日、米国ワシントンD.C.において、米国防衛産業代表との間で標記フォーラムを開催する。日本側から西岡防衛生産委員会総合部会長(三菱重工業常務取締役)を団長に15社、米国側からはボーイング、ロッキード・マーチン等の主要防衛企業10社が参加する。
昨年4月の日米安保共同宣言で、日米防衛装備・技術協力を推進する方針が打ち出されたことを受け、同フォーラムでは、先のFS−X等で問題となった日米協力をめぐる課題、協力を推進する上での環境整備等をめぐり意見交換を行い、来秋の次回会合までに日米共同提言をとりまとめる予定である。

ロシアタンカー「ナホトカ号」重油流出事故について

経団連1%クラブスタッフが12日に福井県三国町の現場を視察した。現在、現地入りした日本NPOセンター職員や各地の拠点と連絡を取り、物資やボランティアの必要性、各地の受け入れ体制について情報収集を行っている。今後は、インターネットのホームページを利用して情報提供する予定。
<16日現在における各社の状況>
  1. トヨタ自動車−各地のトヨタ部品共販店と協力してドラム缶(総数2500〜3000本)を各自治体に提供中。
  2. コスモ石油−石油連盟への協力の他、ドラム缶400本、マスク400個、ゴム長靴100個、ゴム手袋500個、カッパ100着等を現地に提供。
  3. NEC福井−ボランティアのために研修センターを提供済。
  4. 日産自動車−社員が現地ボランティアの事務局スタッフとして活動。

1%クラブシンポジウムを福岡で開催

経団連1%クラブでは、企業の社会貢献活動、企業と地域のあり方に関するシンポジウム「いま、求められているものは何か〜企業と市民が進める地域参加」を開催する。
  1. 日時 2月7日(金) 13:30〜17:00
  2. 場所 福岡(NHKテレビホール)
〔問い合わせ先:企業社会グループ〕

土地政策の転換を−新しい「総合土地政策推進要綱」の策定に向けて

昨年11月21日、土地政策審議会より「今後の土地政策のあり方について」と題する答申が首相に提出された。答申では、現在の地価抑制に偏った政策を土地の有効利用を促進する政策に転換することを求めたが、政府は11月29日の関係閣僚会議において、現在の土地政策の基本方針となっている「総合土地政策推進要綱」(91年1月閣議決定)を改定し、新たな要綱を96年度中に策定することを決定、現在その作業を進めている。
答申では、土地保有課税や譲渡益課税の見直し、土地取引規制の緩和、計画に沿った適正な土地利用の促進、大都市近郊の低未利用地の活用などについてコンセンサスが得られず、抽象的な表現に止まっている。
経団連はかねてより地価税の廃止や固定資産税の税率の引き下げ・評価の抜本的見直し、土地譲渡益重課制度の撤廃、土地取引制度の事後報告制の導入、開発許可の円滑化、耕作放棄地の活用促進などを訴えているが、新しく策定される要綱において、これらが具体的に盛り込まれるよう、引き続き政府に働きかけていく。

97年は"環境の年"
―今年の主要な環境会議―

92年に開催されたリオの地球サミットから5年目の今年は、環境に関する重要な会議が多数開催される。主な会議は以下の通り。
1.リオ+5フォーラム(3月、於リオデジャネイロ)
地球サミットの事務局長を務めたストロング氏が主宰するアースカウンシルが開催。世界の環境NGOが集う。
経団連からは加納地球環境部会長が参加し、日本の産業界の取組みを紹介する予定。
2.地球環境パートナーシップ世界会議(3月、於東京)
わが国の政財界人で構成する地球環境行動会議が6月の国連環境特別総会に先立って開催。
3.ISO/TC207京都総会(4月)
環境ラベル、LCAの国際規格化が焦点。
経団連も事務局として参画し、資金援助を行うなど全面的に支援している。
4.国連環境特別総会(6月、於ニューヨーク)
地球サミット以降の各国政府の取り組み及び成果の包括的な評価、見直し。
5.気候変動枠組み条約第三回締約国会議(COP3)(12月、於京都)
2000年以降の地球温暖化対策を決定。
経団連としては、地球温暖化対策タスクフォースで対応を検討する。


日本語のホームページへ