(1999年1月)
「経団連インフォメーション」の記事より
1月29日に閣議決定された「産業再生計画」がとりまとめられる過程で、新産業・新事業創出のための環境整備に関する働きかけを効率的に行なうため、経団連新産業・新事業委員会メンバー企業等150社を対象に、1月7日〜14日に、緊急アンケート調査を実施した。[回答率56.7%(85社)]
アンケート結果のポイントは、ベンチャー・ビジネスの場合は、政府に対して「エンジェル税制の拡充」(61.2%)、「資金調達面の支援」(60.0%)、「ベンチャー・キャピタル税制の導入」(55.3%)など、を優先的に実施すべきとする回答が多かった。
また、既存企業による新分野参入(企業内起業等)の場合は、政府に対して、「連結納税制度の創設」(80.0%)、「子会社設立手続きの簡素化」(48.2%)、「大学から企業への技術移転の拡充」(44.7%)などの優先的な取り組みを望む声が強かった。
その他、新産業・新事業創出のための政府の役割等に関し、金融監督庁が昨年12月12日に公表した「金融マニュアル検討会・中間とりまとめ」に対して、融資先を定量的な基準によって一律に評価すべきではない、などの意見も寄せられた。
世界的な大競争、本格的な少子・高齢化など内外の環境が厳しさをますわが国において、産業競争力の強化が喫緊の課題となっている。こうしたなか、経団連では、産業問題委員会、産業技術委員会、新産業・新事業委員会がそれぞれ提言をとりまとめるなどして、
経団連国土・住宅政策委員会では、新しい社会資本整備の手法であるPFI(Private finance Initiative)をわが国でも推進すべく検討を行なっており、去る1月19日には、政府のとりまとめ役である経済企画庁の堺屋長官と、PFIをテーマに懇談会を開催した。
PFIの推進にあたっては、従来型の民活事業との違いを明確にすることが重要であり、昨年9月の経団連提言「PFIの推進に向けて」においても、イギリス型の市場原理を活用したPFIを目指すべき旨を訴えた。
そこで当委員会では、わが国におけるPFI事業の早期立ち上げを図るべく、今後の制度論議や提言のとりまとめの参考とするため、鈴木PFI推進部会長(清水建設常務取締役)を団長として、3月2日から14日にかけて、イギリス、ドイツ、フランスに海外調査団を派遣することとした。
調査団は、PFI事業を実際に行なうにあたって生じると思われる実務上の諸課題を中心に、政策担当者や民間事業者等と意見交換するなど実態調査を行なう予定である。