(1999年2月)
「経団連インフォメーション」の記事より
経団連統計制度委員会(委員長:早崎 博 住友信託銀行相談役)では、2月24日(水)に意見書「わが国官庁統計の課題と今後の進むべき方向〜報告者負担の軽減と利用者利便の向上を目指して〜」を発表した。同意見書は、会員に対するアンケート調査の結果を基に、報告者負担の軽減と利用者利便の向上を柱に、官庁統計のあるべき姿について提言している。
具体的な報告者負担軽減策としては、不要統計の廃止、報告時間制・ペーパーワーク削減法の導入などを、また利用者利便向上策としては、より豊富な情報を、パソコンで加工可能な形式で、インターネットなどを通じて提供することなどを提案している。加えて、官庁側で自主的に統計の改善が進むような仕組みづくりを行なうため、統計法・統計報告調整法などの関連法制や統計審議会の見直しや、統計審議会が1995年にとりまとめた「統計行政の新中・長期構想」のフォローアップなども言及している。
統計制度委員会としては、今後、関係各方面に実現を働きかけていく予定である。
さる1月18日、各省庁は、昨年10月末までに内外から提出された規制緩和要望の検討状況を中間的に公表したが、経団連が昨年10月に提出した14分野552項目の内、何らかの進捗が見られるものは3割程度に留まった。そこで経団連では、急遽、14分野45項目の規制緩和再要望を取りまとめ、2月2日に開催された政府の規制緩和委員会において、再度要望を行なった。
さらに、2月18日には自民党規制改革委員会に経団連と各省庁が呼ばれ、それぞれの主張を展開したが、その結果、「有料職業紹介事業の自由化(国外にわたるものを含む)」「職業紹介事業と労働者派遣事業の兼業規制の見直し」「研究成果の社会的還元を促進するための国立大学教員の技術移転機関の役員兼業」「歳入、歳出手続きの電子化の加速」「安全保障貿易管理の許可申請手続きの標準審査期間設定」等について前進を見た。
経団連では規制緩和推進3か年計画の改定で出来るだけ多くの要望が実現されるよう、政府、自民党及び関係方面に対し、今後も働き掛ける予定である。
日本公認会計士協会は、2月25日に監査問題協議会を開き、監査基準委員会報告第16号「監査調書」と第17号「中間監査」をとりまとめる。同委員会報告は、今後の公認会計士の実務に指針を提供するものである。
監査調書は、監査人が監査報告書の作成に至るまでに入手した監査上の証拠やその他の資料を記録し、編集したものである。組織的で効率的な監査の実施を確保したり、監査意見の形成根拠を提供する等の目的がある。
一方、中間監査は、中間財務諸表と中間連結財務諸表の監査である。報告書は、中間監査の性格に配慮し、その信頼性のレベルや実施すべき監査手続等について、指針を与えている。
経団連は、かねてよりディスクロージャー制度の拡充に努めており、今回の指針の策定過程に関わってきている。これにより、公認会計士監査の効率化と財務諸表の信頼性向上に資することを期待している。
経団連国土・住宅政策委員会では、新しい社会資本整備の手法であるPFI(Private Finance Initiative)をわが国でも推進すべく検討を行なっているが、この一環として、この度、日本開発銀行との共催により、イギリス財務省のPFIタスクフォースのモンタギュー代表をイギリスから招き、PFIに関するシンポジウムを開催する。モンタギュー氏は、イギリスにおいて「Mr.PFI」と称されるPFIに係る要人で、PFI推進の中心的な役割を担っている。モンタギュー氏のこれまでの経験を伺うことは、わが国において今後、PFIの推進を図っていく上で大変貴重な参考になると考えられる。
当日は、モンタギュー氏の講演ならびに同氏を交えて各界の有識者によるパネル・ディスカッションを予定している。開催日時は下記の通り。
経団連では、今般、「経団連環境自主行動計画」(97年6月策定)のその後の進捗状況等についてのレビューを行ない、その結果を「第1回自主行動計画フォローアップ」として最終的にとりまとめ、公表した。特に温暖化問題については、産業界全体および個別業界毎の二酸化炭素の排出量等の実績や目標などが盛り込まれている。
この行動計画は、わが国産業界の中心的な対策として政府の温暖化対策推進大綱にも位置づけられるなど、内外から高い評価を得ている。
なお、経団連では、98年9月より産業界の環境問題への取り組みを広く紹介する観点から、企業の環境への取組みに関するインターネットサイトをまとめた「環境関連サイトリンク」を作成しているので、ご活用下さい。
昨年5月、バガバンディ・モンゴル国大統領来日の際に、日本とモンゴルの両国によって発表された共同声明において、両国民の友好の絆を強化するために、モンゴルに文化ミッションを派遣することが表明された。
これに基づき、外務省は本年6月頃を目途に財界人、学識者、文化人各1名により構成される同ミッションの派遣を計画している。
経団連としても、共同声明の趣旨に賛同している。同ミッションにご関心のある向きは、下記までご連絡いただきたい。
2月1日、経団連金融制度委員会企画部会(部会長:奈良三菱総研会長)は、金融監督庁が昨年12月22日に発表した金融検査マニュアル中間とりまとめに対する意見を発表した。
今回のマニュアル案では、検査に関する考え方が当局指導型から自己管理型、資産査定中心からリスク管理重視型へと大きく転換されており、わが国金融システムに対する国内外の信頼の回復を目指していることが感じとれる内容となっている。
経団連では、金融システムの安定化を図る上で、債権分類、引当基準について透明度の高いガイドラインを作ることを強く求めてきたところであり、今回のような案が出てきたことについて、基本的に評価している。
ただし、昨今の経済情勢に鑑み、
経団連では、昨年11月、「生活空間情報基盤の構築に向けて〜地理情報システムの高度利用のための提言〜」を取りまとめ、その実現方を政府等関係方面に働きかけてきた。
政府では、地理情報システム(GIS)の効率的な整備およびその相互利用について、政府と民間が連絡を密にしつつ、官民一体となった各種施策を推進するため、本年1月、内閣にGIS官民推進協議会を設置した。
本協議会は、国土庁、建設省、国土地理院などの7省庁と、民間企業15社から構成されている。
経団連としては、産業界全体のニーズをふまえて本協議会に積極的に参画するとともに、地理情報システムの利用環境の整備に取り組んでいく予定である。
去る1月26日、文部省より、「来春の高校卒業予定者の昨年12月時点での就職内定率は76.8%と、1976年の調査開始以来最低であり、まだ、約6万9千人の就職先が決まっていない。各企業に再度、採用枠の拡大を呼びかけてほしい」旨の要請を受けた。
依然として厳しい経済情勢ですが、今後の少子・高齢化社会を支える若手人材の育成という観点からも、会員企業の皆様にご検討頂ければ幸いです。