経団連の最近の動き

(2001年9月)

「経団連インフォメーション」の記事より


No.314 ( 9月28日発行)より

メガワティ インドネシア大統領との朝食懇談会を開催

9月27日、訪日中のメガワティ インドネシア大統領との朝食懇談会を開催した。席上、メガワティ大統領は、経済危機に際しての日本からの支援に対し謝意を表明したのち、

  1. インドネシアの民主化と経済復興に取り組む、
  2. 政治の安定、治安の維持に努め、地方自治権の拡大に伴う問題や、労働問題にも取り組み、投資環境の一層の整備を図る旨を強調するとともに、
  3. 経済活動を活発化させることが、国民の福祉向上につながると認識している、
などと発言した。
日本側からは、政治の安定および治安の維持の重要性を指摘するとともに、
  1. 既存投資案件に関わる問題の早期解決、
  2. 電力の安定供給、
  3. IBRA(インドネシア銀行再建庁)の保有する不良債権の処理と金融システムの早期正常化、
などについてインドネシア政府の理解と尽力を求めた。また、現地日系企業の集まりであるジャカルタ・ジャパン・クラブの代表からも、新政府への提言書について説明があった。

No.313 ( 9月21日発行)より

平成14年度税制改正提言を公表
〜構造改革に資する税制改革を提言

9月18日、理事会の議を経て、「平成14年度税制改正提言」を取りまとめた。今後、本提言の実現に向け、政府・与党等に働きかけていく。
今回の提言は、小泉内閣が掲げる聖域なき構造改革と歩調を合わせ、改革実現のために不可欠な税制改革を提案したもので、主な内容は以下の通り。

  1. 法人税における最重要課題は「連結納税制度を平成14年度から確実に導入」することであり、企業が使い易い仕組みになるよう具体的な提言を行った。
  2. 資産デフレ解消に向けては、株式譲渡益申告分離課税の税率引下げと譲渡損失繰越制度の創設、土地流通・譲渡益課税の整理・合理化等を急ぐよう求めている。
  3. その他、不良債権処理、商法改正、社会保障制度改革等、各分野の構造改革に対応した税制改正を提言した。

官民一体となった雇用のセーフティネットの充実を

構造改革の過程で生じる「痛み」として、雇用情勢の悪化が懸念されている。9月20日、政府の「産業構造改革・雇用対策本部」において、新市場・新産業の育成による雇用の創出や官民の連携、能力開発を中心とした雇用のミスマッチ解消などの総合雇用対策が決定された。
こうした状況の中で経団連は、今年度における規制改革の重点要望として「官民が協力・連携した職業紹介・再就職支援サービスの充実」や「求職者からの手数料規制の緩和」を求める。具体的には、キャリアカウンセリングや求職者と求人者のマッチングなどの優れたノウハウを有する民間事業者のサービスを利用した求職者が、短期間で再就職に成功していることから、公共職業安定所と民間事業者がそれぞれに持つ求人・求職者情報を共有し、求職者向けサービスを連携して行うべきことを訴える。これにより、雇用のミスマッチ解消と雇用保険財政の健全化が図られることが期待される。

GDP統計の改善策を検討

統計制度委員会(委員長:井口武雄 三井海上火災保険CEO)は、9月17日、統計審議会の竹内啓会長(明治学院大学教授)を招き、「GDP統計の現状と改善の方向性」について説明を聴くとともに意見交換を行った。
GDP統計については、公表時期の遅さや、速報値から確報値への改定幅の大きさ、景気の実感との乖離などの問題点が指摘されている。これらの点について竹内会長からは、

  1. 公表の早期化、精度の向上など改善の余地はある。基礎統計の充実のため予算措置を講じる必要がある。
  2. 速報値は「予測値」と考え、推計方法を見直すべきである。
  3. 景気情勢の判断はGDP統計以外の指標も活用して行うべきである。
等の説明があった。
統計制度委員会では、企画部会(部会長:飯島英胤 東レ経営研究所社長)を中心に、GDP統計の改善策について検討を深め、来春を目途に見解をとりまとめる。

No.312 ( 9月14日発行)より

経済広報センターの活動について意見交換

日経連との統合検討過程で経済広報センターについても見直しの議論がなされ、経団連広報との一層の連携を図ることとされた。その一環として、広報委員会企画部会の下に、今般、経済広報ワーキング・グループ(座長:桝本東京電力副社長)を設置し、経済広報センターの活動について意見を拝聴することとした。
13日に開催した第1回会合では、経団連と経済広報センターの広報活動の現状について報告を受けた上で、経団連と経済広報センターの性格の違い、広報対象者の区別等の役割分担、経団連・日経連統合後の広報のあり方、経済広報センターが担う広報担当者育成機能の重要性について幅広く意見交換した。
なお同ワーキング・グループは、今後、年2回のペースで、意見交換を続けていく。


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