[ 日本経団連 ] [ 意見書 ]

2005年度・新卒者採用に関する
アンケート調査集計結果の概要

2006年1月26日
(社)日本経済団体連合会

調査対象日本経済団体連合会および東京経営者協会法人会員企業 2039社
調査形式無記名式アンケート(業種・従業員数のみ記入)
実施時期2005年11月
回答企業728社(回答率 35.7%)
* 製造業 47.1%、非製造業 52.9%
* 従業員規模1000人以上 56.3%、1000人未満 43.7%


2005年度・新卒者採用に関するアンケート調査集計結果
(14ページ/PDF形式)

2005年度・新卒者採用に関するアンケート調査集計結果の特徴

○ 採用実施企業・採用人数は3年連続して増加

採用実施企業は91.2%と、前年度(87.6%)に比べ3.6ポイントの増加となった。このうち、採用人数を「増加した」企業は53.9%と、前年度(51.0%)を2.9ポイント上回り、採用実施企業、採用人数ともに3年連続の増加となった。採用人数を増やした理由としては、「企業業績の回復に伴って採用枠を拡大」「団塊の世代の退職に備えて人材を確保」「若手社員不足を補うため」などを挙げている。
採用内定者に対する評価は、「良い人材が採用できた」との回答が58.5%を占め、前年度(58.9%)より0.4ポイント減少した一方、「良い人材が採用できなかった」との回答が前年度(4.3%)より1.0ポイント増え、5.3%となった。

○ 「昨年に比べて売り手市場」との回答が大幅増の7割超

就職採用市場に対する評価は、「昨年に比べて売り手市場であった」との回答が74.8%(前年度比35.8ポイント増)と、前年度(39.0%)を大幅に上回った。また、日本経団連の倫理憲章の趣旨に沿った採用選考活動を実践するために、採用活動を「4月上旬に開始」した企業が最も多く38.6%で、前年度(33.8%)に比べ4.8ポイント増加している。
終了時期については、「前年度と変わらなかった」が7割弱(66.2%)を占め、「早くなった」企業が10.7%で、前年度に比べ1.9ポイント増加した。終了時期が早くなった理由としては、「4月に集中して選考を行ったため」「早い時期に採用予定数を充足できたため」等を挙げている。

○ 通年採用など多様な採用形態・手法が定着

多くの企業が、多様な人材を発掘するために特徴ある採用形態や手法を導入し、定着する傾向が見られる。「通年採用」を行った企業は、「すでに導入している」(25.6%)と、「今年度から導入した」(7.9%)との回答を合わせると、33.5%(前年度29.7%)にのぼっている。このうち、「年間を通しての随時採用」が51.1%と、前年度(47.3%)より増加、通年採用導入の「効果があった」との回答も8割(80.0%)を占めた。
また、選考プロセスを「事前に開示した」企業が8割弱(79.7%)と、前年度に比べると6.5ポイント増加している。このうち、「効果があった」との回答が5割弱(48.1%)を占めており、採用担当者からは、「選考プロセスを事前に開示することで、学生は安心して就職活動に臨めるとともに、公平で透明性の高い採用選考を印象づけることができ、会社のイメージアップにつながった」との意見が寄せられている。

○ 採用選考時に最も重視する要素は3年連続で「コミュニケーション能力」

企業が採用選考時に重視する要素は、第1位「コミュニケーション能力」75.1%(前年度75.0%)、第2位「チャレンジ精神」52.9%(同56.6%)、第3位「主体性」52.5%(同50.4%)、第4位「協調性」48.7%(同45.4%)、第5位「誠実性」39.1%(同34.3%)と、3年連続して同様の順位となった。
また、採用内定学生に特徴が見られたとする企業は、前年度(20.4%)比2.8ポイント増の23.2%となった。採用内定学生の特徴としては、「明確なビジョンを持って就職活動に臨んでいる」と高く評価する企業がある一方、「コミュニケーションがうまく図れない」「主体性や創造性に欠ける」「就労意欲の低下」といった問題点も指摘されている。

○ 共同宣言の効果により倫理憲章の趣旨がさらに浸透

日本経団連の倫理憲章に則った採用活動については、「正常な学校教育と学習環境の確保」では90.0%(前年度85.5%)、「採用選考活動早期開始の自粛」では83.4%(同76.2%)、「公平・公正な採用の徹底」では98.0%(同98.1%)、「情報の公開」では96.1%(同94.9%)の企業が実施できたと自己評価している。また、「学生の申し出により採用選考日程を調整」(78.1%)、「説明会や採用選考を土日、祝日に開催」(30.3%)するなど、学事日程に配慮する姿勢も見受けられた。
また、日本経団連が会員企業に実施した共同宣言の効果に関しては、「採用活動早期化の歯止めに効果があった」との回答が59.6%(前年度58.3%)と6割弱にのぼった。企業からは、「早期化に歯止めをかけるためには企業、大学、学生の三者が倫理憲章の趣旨を正しく理解する必要がある」「4月に選考が集中したために他社との競争が激しくなった」等の意見が寄せられた。

以上

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