今、世界は未曾有の危機に直面している。国際的な金融システム不安はいまだ収束する様相を見せず、世界中のあらゆる地域で実体経済に深刻な影響を及ぼしている。各国ともに過去に類例をみない大規模な経済対策を矢継ぎ早に打ち出し、国際的な連携を通じた金融の機能強化・安定化策も採られているが、いまだに立ち直りへ明確な道筋はみえない。
日本もまた、世界不況という荒波の直撃を受けている。雇用への不安に加えて、急速な少子化・高齢化、深刻な財政赤字、そして社会保障制度に対する不信とが相俟って、国民は将来への展望を失いかけている。
かかる難局に怯むことなく、こういう時こそ前例に囚われず、将来を見据えた大胆な経済政策を速やかに実行するとともに、不退転の決意で経済社会の構造改革を推進しなければならない。待ち受ける道は険しいが、日本の潜在力を引き出し、希望の国を造り上げるべきである。
経済界は持続可能で活力ある経済社会を目指し、総力を結集して以下の諸課題に取り組む。この国の再生に向け、各界各層の協力を得つつ、われわれは改革の先頭に立つ覚悟である。