大学卒業予定者・大学院修士課程修了予定者等の採用選考に関する企業の倫理憲章

大学卒業予定者・大学院修士課程修了予定者等の採用選考に関する 企業の倫理憲章の理解を深めるための参考資料

(社)日本経済団体連合会
2009年10月20日制定
2010年9月14日改定

日本経団連では、1997年に「採用選考に関する企業の倫理憲章」を定めて以降、毎年、採用選考活動の早期化の自粛を呼びかけてきた。

本資料は、倫理憲章の理解を一層深めていただくために作成したものであり、各社の実情に応じ、選考活動の早期開始の自粛など倫理憲章の遵守への一層のご協力をお願いしたい。

なお、日本経団連は、今後も倫理憲章のさらなる周知徹底をはかり、産業界が一体となった取り組みとなるよう努めていく。

1.広報活動・選考活動とは

企業が行う採用選考活動は、広報活動と選考活動に大別することができる。

広報活動とは、業界情報、企業情報ならびに説明会日程、採用予定数、選考スケジュール等の採用情報を、学生に対して広く発信していくことを目的とした活動を指す。具体的には、会社説明会、インターンシップなど学生が自主的に参加または不参加を決定することができるものが該当すると考えられ、実施にあたっては、その後の選考活動に影響しない旨を明示するよう努めることが求められる。こうした、選考活動に影響しない広報活動については、事前に十分な時間をかけて行うことでミスマッチによる早期離職の防止が見込まれる。なお、広報活動を実施する場合は、学事日程に十分配慮して行うことが望まれる。

一方、選考活動とは、一定の基準に達した学生を選抜することを目的とした活動を指す。

2.早期開始を自粛すべき「実質的な選考活動」とは

選考活動については、倫理憲章の「2.選考活動早期開始の自粛」で、「卒業・修了学年の学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、選考活動の早期開始は自粛する。まして卒業・修了学年に達しない学生に対して、面接など実質的な選考活動を行うことは厳に慎む」としている。

ここで言う自粛すべき「実質的な選考活動」とは、活動の名称や形式等を問わず、実態で判断すべきものであり、具体的には、(1)選考の意思をもって学生の順位付けまたは選抜を行うもの、あるいは、(2)当該活動に参加しないと選考のための次のステップに進めないものを言う。

ただし、WEBテストやテストセンターの受検、エントリーシートの提出など、日程・場所等に関して学生に大幅な裁量が与えられているものについては、学事日程への影響がない場合もあるため、当該活動が早期開始を自粛すべきか否かの検討を行う際には、倫理憲章の趣旨を十分に踏まえた上で、各企業が活動の実態に合わせて適切に判断することが求められる。

3.広報活動であることの明示とは

広報活動については、学生が自主的に参加の可否を判断できるよう、その後の選考活動に影響を与えるものではないことを十分周知した上で実施することが望ましい。具体的には、広報活動を行う際の告知・募集の段階と実施時の段階の双方において、当該活動が広報活動として行われる旨を、ホームページや印刷物への明記、会場での掲示や、口頭による説明などの形で学生に周知徹底するよう努める必要がある。

なお、広報活動であることを示す場合の内容としては、以下のような例が考えられる。

【会社説明会の場合の明示例】

○ 明示する場面
  1. 開催の告知・募集段階
  2. 開催当日の案内(口頭、会場における掲示など)

○ 具体例
例1) 「この説明会は、学生の皆さまに今後の就職活動を行う上での参考として、当社や業界の状況をご理解いただくための広報活動の一環として開催するものであり、本説明会への参加の有無が今後の採用選考のプロセスに影響するものではありません
(あるいは、下線部分に替えて)
→ 参加しなかったからといって、今後の採用選考上不利に働くことはありません
例2) 「この説明会は、広報活動の一環として、当社の事業やCSRへの取組みなどについて理解を深めていただくために行うものです。説明会への参加は任意であり、参加者の方々を対象に選考を行うことはいたしません」
以上

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