去る1月29日〜2月2日、オーストラリアのシドニーで、ISO(国際標準化機構)のSR(社会的責任)に関するワーキンググループ(WG)第4回総会が開催され、54カ国、28機関から275名(含 オブザーバー)が参加しました。
今回の総会は、第2次作業文書(WD2)に対して事前に寄せられた5,176のコメントに基づく主要論点を整理・議論し、今後の作業の道筋を明らかにすることを目指しました。特に、今後の作業を進める上でエキスパートの合意が不可欠な、10個の共通重要課題を集中的に討議しました。作業グループ間の調整機能が発揮され、足並みを揃えて、共通の目的地に向かって進もうとする意欲が高まりました。
WGのリーダーシップは、シドニー総会を「参加している幅広いステークホルダーの間でコンセンサスと信頼を相互に得たという観点から、WGを正しい道へと導いたターニング・ポイントになる」と評価しています。
総会において、日本産業界エキスパートは、「MSSではない」「あらゆる組織を対象とする」という前提条件を実現するためのガイドや、6章(SRの課題)と7章(実施)のフレームワークなど建設的な提案を行い、WGの議論に貢献しました。
日本経団連としては、社会的責任経営部会を中心に、ISO26000が、実践的、実効的で利便性の高い規格となるように、引き続き動向を注視し、積極的に関与していきたいと存じます。引き続き、会員企業の皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。
<次回総会までの作業計画>
3月30日まで | 各作業グループの起草チームでWD3に向けた第1次案作成 | |
---|---|---|
5月18日まで | コメントに基づき第2次案作成 | |
7月20日まで | 編集委員会でWD3の編集 | |
8月31日まで | WD3へのコメント提出(各国エキスパート) | |
10月10日まで | コメントを基にウィーン総会の重要課題とWD3改定案を提示 | |
11月5〜9日 | 第5回WG総会(開催地:オーストリア・ウィーン) |
<規格策定計画>
2007年11月 | 第5回ウィーン総会〔WD3からCDへの格上げ決定〕 | |
---|---|---|
2008年 2月 | CD回付〔3カ月の各国コメント期間〕 | |
2008年 8月 | 第6回サンチャゴ総会〔CDからDIS(国際規格案)への格上げ決定〕 | |
2008年11月 | DIS回付〔5カ月の投票期間〕 | |
2009年 6月 | 第7回総会〔FDIS(最終国際規格案)の準備〕 | |
2009年 8月 | FDIS提示〔2カ月の投票期間〕 | |
2009年11月 | ISO26000発行 |
なお、総会の模様につきましては、2月20日に開催した社会的責任経営部会において、専門家やオブザーバーからご報告いたしました。日本経団連会員企業の方で、当日配付資料をご希望される場合は、事務局までご連絡ください。