中古住宅の流通やマンションの建て替えの促進

大都市圏における住宅供給を拡大し、併せて個人のライフサイクルに応じた住替 えを促すためには、中古住宅流通やマンションの建て替えを円滑化することが不可欠 であり、これらを目的として金融・税制等の環境整備を進めるべきである。

  1. 中古住宅取得に係わる税制や公的融資の見直し
    中古住宅市場を活性化する観点から、中古住宅購入に不利となっている登録免許 税、不動産取得税、固定資産税等の課税環境や金利、返済期間等の公庫融資条件 を優良な中古住宅を中心に新築住宅に近づけるべきである。特に築後10年以内 の中古住宅購入のための公庫融資については、94年度末で期限切れとなる金利 、返済期間の優遇措置を継続する必要がある。

       
              【新築住宅及び中古住宅に係わる税制・公的金融制度(現行)】
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    ┃       │        新築住宅       │       中古住宅         ┃
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    ┃登録免許税  │課税標準価格(固定資産税評価額)   │課税標準価格(固定資産税評価額)    ┃
    ┃       │に対する保存登記税率原則6/1,000│に対する移転登記税率原則50/1,000┃
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    ┃不動産取得税 │〔89年4月以降建設の場合〕     │〔76年4月〜81年6月建設の場合〕  ┃
    ┃       │課税標準価格(固定資産税評価額)   │課税標準価格(固定資産税評価額)    ┃
    ┃       │からの控除額  1,000万円    │からの控除額350万円         ┃
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    ┃固定資産税  │原則3年間1/2減額控除       │        特例なし        ┃
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    ┃住宅金融公庫 │                   │                    ┃
    ┃ローン返済期間│35年以内(耐火構造マンション)   │原則20年以内(築後10年以内、    ┃
    ┃       │                   │床面積50m2以上95m2以下の特定中古┃
    ┃       │                   │マンションは25年以内)        ┃
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    ┃融資金利   │床面積50m2以上125m2以下の住宅│原則中間金利4.4%(上記特定中古   ┃
    ┃       │基準金利  4.15%        │マンションは基準金利4.15%)    ┃
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  2. マンションの建て替え促進のための環境整備
      大都市圏におけるマンションの建て替えを促進し、質の高い住宅ストックを形成 する観点から、建ぺい率・容積率制限等を思い切って緩和するとともに、建て替 えを促す補助金等のインセンティブや建て替えに伴って授受される差金に係わる 譲渡益の非課税措置等を構ずべきである。

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