変革と創造に向けてのわれわれの決意
1994年5月27日
55年体制の崩壊と長引く不況の中で、わが国の政治、行政、経済のあり方が根底から問われている。わが国が直面する内外の課題を乗り切り、国際的な信頼を得、来たるべき21世紀に活力ある経済社会を実現するためには、あらゆる分野での変革と創造に取り組むことが必要である。
既に、規制緩和、内需型経済への転換と貿易黒字削減をはじめとして、変革の方向は示されており、今必要なことはその具体化に向けた実行である。今日における世界の中の日本の役割を認識し、信念と気概をもって変革を実行し、民間主導のもとに21世紀への明るい展望を切り拓かねばならない。
われわれは、適正な為替水準を前提とした日本経済の成長力を信じ、企業家精神の発揮と自己責任原則の徹底のもと、創造的で活力に富み、世界の共感を得られる経済社会の実現に努める決意である。
本総会を機に、われわれは、新しい経団連をめざし、広く内外の声に耳を傾けつつ、変革と創造の担い手として右記の重要課題に主導性をもって取り組むことを決議する。
【記】
- 独創的技術に裏打ちされた活力を喚起し、企業家精神の発揮と自己責任に基づく企業行動によって経済改革を進め、競争市場の中で内外社会と共生する日本企業像を確立する。このためには、企業の社会的責任を認識し、企業倫理の徹底を図ることが肝要である。
- 規制の撤廃・緩和はもとより、国・地方を通ずる行政改革の推進を求め、市場アクセスの改善、内外価格差の是正、ビジネス・チャンスの拡大、地方分権等を実現することによって、活力ある経済社会をめざす。
- 米欧の民間分門との自由かつ実質的な対話や国際産業協力を通じて相互理解の深化に努める一方、アジア諸国との開かれた連携強化ならびに市場経済をめざす諸国への経済協力を推進する。
- 世界貿易機関(WTO)の機能強化に協力するとともに、地球環境問題をはじめとする国際課題に積極的に取り組む。
- 政治改革の着実な実行と政治の安定を促し、将来に向けた諸課題の解決と国際社会からの期待に応えうる理念と構想、実行力をもった政治の実現を求める。
日本語のホームページへ