1997年6月11日
(社)経済団体連合会
宇宙開発利用推進会議
宇宙開発は、初めての人工衛星スプートニクの打上げから40年、陸・海・空に次ぐ「第4のインフラ」として、着実に世界の人々の生活にとって重要な基盤になっている。既に、宇宙開発の成果は、通信・放送(BS・CS放送、多チャンネルデジタル放送、携帯電話への活用など)をはじめ気象観測、測位(カーナビゲーションなど)等に利用され、今後も情報化社会の進展に伴い利用の一層の拡大が見込まれている。今般閣議決定された「経済構造の変革と創造のための行動計画」にも、航空・宇宙は今後成長の期待される15分野の一つとして盛り込まれたところである。また、最近の重要課題である地球環境問題の解決や大規模災害の監視には衛星の活用が不可欠である。
欧米諸国は、「第4のインフラ」である宇宙開発を、21世紀の戦略的国際的インフラと位置づけ、情報通信分野を中心に一層の利用をはかるため、国の開発した技術をもとにイリジウム計画やテレデシック計画などを推進している。わが国においても、官民協力して、開発の段階から利用への第一歩を踏み出し、宇宙開発の成果を本格的に活用する時代を迎えた。科学技術創造立国を目指すわが国は、欧米と協調して国際協力プロジェクトを推進する一方、先進国の責任として宇宙開発を自主的に推進することが求められている。
このような状況下において、産業界はさらなるコストダウンを通じて国際競争力の向上を目指し、宇宙開発・利用に積極的に取組んでいく必要がある。
国としても、以下の施策や重要プロジェクトの推進が重要である。
宇宙産業は、現在の高品質を維持しながらコストダウンや工期の短縮につとめるなど、宇宙部門の自立・活性化に向けた企業努力を着実に進めている。既に、H-IIAロケットは海外の衛星メーカーから打上げ契約を受注している。これは官民一体となって努力した成果であり、目下、国・企業はコストダウンのプログラムを実施中である。衛星分野でもコンポーネント(太陽電池パドル、トランスポンダ、センサ等)では競争力があり輸出を行なっている。今後はコンポーネントにとどまらず、衛星システム本体の競争力をつけることが求められている。
宇宙産業が一層の国際競争力を持つため、以下の施策が重要である。
以 上
宇宙関連産業 | |
通信・放送 |
環境・エネルギー |
防災・安全 |
宇宙活動を支える先進技術基盤 |
何故、今、宇宙開発・宇宙産業が重要なのか? (その1:先端技術開発に求められるものとその重要性) | |
何故、今、宇宙開発・宇宙産業が重要なのか? (その2:宇宙開発の重要性と、もし宇宙開発をやめてしまったなら…) |