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経団連1%クラブニュース増刊号

米国同時多発テロを巡る支援・救援活動報告

発行:(社)経済団体連合会 社会本部内 1%クラブ事務局
2001年11月14日

1.米国同時多発テロ事件殉職者子女育英基金設定のための経済界募金

 経済界ならびに広く一般の方々にご協力いただきました標記募金は、現時点で、経済界から4億7232万円、社員募金や個人から800万円のご寄付をいただきました。
 現在、育英基金の運営にあたるニューヨーク・コミュニティ・トラストと(社)海外事業活動関連協議会の間で、契約をとり交わす準備をしております。
 また、日本企業が様々な形で実施されている支援に関して(財)経済広報センターが実施した調査には、223件、義援金総額42億1,873万円(10月22日現在)の報告がありました。詳細はホームページ(URL:http://www.kkc.or.jp/)にて日英両文で公表しておりますのでご参照ください。皆さまのご協力に深く感謝いたします。

2.アフガニスタン難民救援活動

 国連高等難民弁務官(UNHCR)をはじめとする国連機関やNGOは、パキスタン等の周辺国にアフガニスタンから難民が大量に流出する場合を想定し、支援の準備を進めてきました。UNHCRは当初150万人の難民流出を想定していましたが、11月6日現在で、9月11日以降にパキスタンへ新たに流入した難民の総数は約13万5000人と発表しています。新たな難民の多くは、以前からあった「旧」難民キャンプ203カ所にある親戚や友人の家に滞在しています。「旧」難民キャンプへの支援の充実やパキスタンへの大量流入に備えた準備も展開される中、国連機関や多くのNGOの関心は、避難できずにアフガニスタン国内に留まっている国内避難民に向きつつあります。アフガニスタン国内では、3年来の旱魃により多数の国内避難民が発生しており、厳しい冬を迎え一刻の猶予もない状態にある、というのが人道支援に関わる組織の認識です。
 この度、1%クラブがその設立から関わっている「ジャパン・プラットフォーム(JPF)」も、参加NGOがアフガニスタン避難民支援のために具体的活動を開始することとなりました。会員の皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。

■ ジャパン・プラットフォーム(JPF)

 NGO、経済界、政府が協力・連携して、難民発生時・自然災害時の緊急援助をより効率的かつ迅速に行うための枠組み「ジャパン・プラットフォーム(JPF)」は、9月28日の評議会において、アフガニスタン難民支援を決定しました。JPFの参加NGOは、10月17日にパキスタンのイスラマバードに共同事務所を開設するなど、支援に向けて調査・準備活動を行っています。
 一方で、難民が大量に周辺国に流出する事態には至っていないことから、複数のNGOよりアフガニスタン国内での支援活動を展開したいとの申し出がありました。これを受けて、11月12日の評議会で、支援対象をアフガニスタン国内にも拡大することを決議しました。現在では、安全上、国連、国際NGOともスタッフがアフガニスタン国内に入れない状態であることから、当面、周辺国からアフガニスタン国内の現地NGO、ローカルスタッフを通じて必要な緊急支援物資の輸送、配付等を実施していきます。JPF参加NGOでアフガニスタン国内支援を検討している団体は12団体あり、そのうち3団体については評議会で予算承認を受け次第、直ちに活動を開始します。その他の団体についても、月内にはローカルスタッフ・現地NGOを通じた活動を開始する予定です。

<各団体の具体的な活動>

  • セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、アフガニスタン北部サルプール県においてセーブ・ザ・チルドレンの現地スタッフならびに現地NGOを通じて補助的食料(豆類、食用油、砂糖、塩)の支援を行う。(対象約10万人。3ヵ月分を配給。1家族6人1ヵ月の補助的食料費$25で計算。)
  • 難民を助ける会は、現地で活動する英国の地雷除去専門NGOと協力し、現地NGOスタッフのチームによるアフガニスタン内における地雷・不発弾に関する回避教育・汚染地域の調査・処理を実施。12月より活動を開始予定。
  • ピース ウィンズ・ジャパンは、アフガニスタン北部サルプール県のおよび東部ジャララバード近郊の国内避難数万名に対し食料(WFP国連食糧計画提供)、テント(5千張以上)等を現地スタッフならびに現地NGOを通じて配付。
  • イスラマバードに事務所をおきアフガン難民支援・国内避難民支援の準備を行っている団体: JEN、BHNテレコム支援協議会、予防外交センター

<企業からの寄付状況>

 JPFのアフガニスタン難民支援に関し、既に以下の企業が支援を行っています。

  • アサヒビール(株):  150万円/社員による募金および会社からのマッチング
  • 日産自動車(株):   113万3,084円/社員による募金
  • 富士ゼロックス(株): 200万円/社員による端数倶楽部からの寄付および会社からのマッチング
  • 文化工房(株):    50万円/会社からの寄付
 *その他、ソニー(株)がJPFの組織運営資金として300万円を寄付。

<アフガニスタン難民寄付受付>

郵便振替 00190−5−555404
口座名 ジャパン・プラットフォーム
  *振替用紙に「アフガニスタン難民支援」と明記してください。

<JPF連絡先〔10月26日に新事務所に移転〕>

東京都世田谷区桜新町2−11−5 2階
TEL: 03−5451−7300
FAX: 03−5451−7301
URL: http://www.japanplatform.org/top.html
   *近々にメールマガジンによる情報配信を開始予定。

3.経団連1%クラブ「NPOチャレンジ・フェア」報告

 去る11月10日(土)、1%クラブでは、2001年ボランティア国際年を記念して、NPOの活動を紹介する「NPOチャレンジ・フェア」を開催しました。あいにくの雨でしたが、午前中は約140名の参加者が、5つのプログラムに分かれ、NPOの活動を体験しました。午後には、東京国際フォーラムに場所を移し、全体交流の集いを開催し、ビンゴゲームやミニコンサートを交えて参加者同士の情報交換や懇親の場を持ちました。
 また、東京国際フォーラムでは一般公開のイベントとして、ジャパン・プラットフォーム(以下JPF)の活動紹介を同時に開催しました。会場には、JPFの参加NGOのパネルやビデオ、ピースウィンズ・ジャパンが帝人と共同開発した、高さ4m、長さ22.5m、幅5.84mの緊急テント(バルーンシェルター)の設置により、世界の難民を取り巻く状況やJPFの活動を紹介しました。
*詳細は、1%クラブニュース冬号/2001年1月末発行にてご報告します。

【本件ご連絡先】
(社)経済団体連合会 1%クラブ事務局(社会本部内)  担当:長沢、星野
 TEL:03−3279−1411 (内線3735、3758)
以 上

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