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1%クラブ寄付対象団体の紹介

1%クラブニュース (No.59 2001 秋)

老人給食協力会 ふきのとう
代表 平野眞佐子

 ふきのとうは1983年、有志11名の参加によって週一回、地域のお年寄りを招き食事会を開いたことをきっかけに始まりました。「地域は一つの家族」をテーマに地域の中での助け合いをめざし、高齢者や身体不自由な方々への食事サービスを中心に在宅支援活動を続けています。多くの賛同を得、活動地域を広げて1996年に「社会福祉法人ふきのとう会」の認可を都から受理。現在は世田谷区内のデイサービス事業も実施しています。

 ふきのとうの発足には、実にさまざまな地域活動が基盤となっています。1976年に世田谷桜丘に移り住み、ゼロ歳児から小学生まで子どもが5人。翌年、近くの空き地にプレーパークの前身「冒険遊び場」が誕生し、子どものためにと運営資金確保のための廃品回収を引き受けました。年間3万円の売上目標です。子どもの健全育成を願い責任者となるうち、資金集めや遊び道具の廃材集めなど、リヤカーを引いて奮闘する日々が続きました。「冒険遊び場」の活動から始り、地域の母親、子ども、父親達も巻き込んで、公民館活動や勉強会を組織している頃、700坪もある「冒険遊び場」の土地に、区民センターが建設される話が起りました。建設計画では子ども達が遊ぶ広場が全く残らないと分かり、早速署名を集め、請願書を区議会に提出したのが1981年です。1982年の夏には子ども達を対象に「この街の歴史を知ろう会」を企画し、地元町会長の皆さんに街の歴史・変遷について伺いました。「街は、新しい人を受け入れながら、一方、長い間その街で暮らした方達とが一緒になって、お互いに良い街をつくっていくことが大切」、さまざまな地域活動を通しての実感です。この問題意識を基に1983年、公共施設のあり方や行政と市民のあり方、地域環境、青少年教育、未来のコミュニティのあり方などについて、世田谷区に提言書を出しました。その中に、市民が担える街づくり活動として、老人給食と青少年問題を考える提案を入れました。これが、ふきのとう誕生に至る物語です。

 設立当初は、週に1回の会食からスタートし、その後配食サービスも始め、現在は、本部と支部の合計7拠点で配食・会食サービスを、またデイホームでの活動やホームヘルプ事業、食事サービスもしています。登録している400名以上のボランティアを支部長、本部毎日型食事サービスのコーディネーター、食事づくりチーフと役割を決めて運営しています。コーディネーターは当日の配達先をボランティアに説明し、担当者は11時半頃、車の場合8〜10軒、自転車は4〜5軒に、お弁当と汁物を届けるため出発します。利用者によって、切り方、盛り方に違いがあるので慎重にお届けします。配達時には、利用者に必ず声をかけてコミュニケーションを図ります。特にお一人で生活されている高齢・障害で身体のご不自由な方には、食卓まで運ぶなど充分な配慮をします。

 全国老人給食協力会(ミールズ・オン・ホイールズ日本協会)事務局もふきのとうが担当。全国セミナーやシンポジウムの開催、海外の食事サービスの視察・交流、資料の発行を通し、「皆が安心して地域で暮らせる街づくり、そのためにできることは何か」を問いかけ、各地の団体と連携しながら全国的な住民参加型食事サービスの普及・推進にむけて支援活動を展開しています。

〒156-0054 東京都世田谷区桜丘4−13−21
TEL 03-3706-2545 FAX 03-3706-8128


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