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1%クラブニュース (No.60 2002 冬)

日本網膜色素変性症協会
会長 釜本美佐子

 網膜色素変性症は眼球の奥にある網膜に色素が溜り、徐々に網膜の細胞が死んでいく神経系の難病です。徐々に視野が狭まり、周辺等が見えない状態になりますが、進行が遅いのが特徴です。今のところ治療方法は解っていません。子どもの症例もありますが、40から50歳代に顕著で、「この頃、暗いところや横、足元が見えにくい。視力が低下したようだ」と何気なく眼底検査を受けた結果、病名を宣告されるケースが多いのです。働き盛りに医師から「徐々に進行して、失明することもある」と宣告されたときのショックは、計り知れません。原因は遺伝子の異常といわれ、日本では患者の7〜8割が劣性遺伝と言われますが、はっきりしない症例もあります。遺伝性という特徴から偏見を恐れて一人思い悩む人々も多く、病気に対する理解は進みませんでした。

 日本網膜色素変性症協会(Japanese Retinitis Pigmentosa Society;略称JRPS)はこの難病の治療法の確立と患者の自立を目指して1994年5月に設立された組織です。スイスには国際網膜協会の本部があり、その学術部会に千葉大学医学部眼科の安達惠美子教授が加盟されています。安達教授のご尽力により、千葉ライオンズクラブの資金支援を受けて国際組織の準会員として協会を設立。1996年に正会員となりました。現在スイスを中心に世界43カ国に支部があります。

 当協会の特徴は各国とも患者・研究者&医療従事者・支援者の三者一体で会員構成がされていること。三者が一体となって、疾患治療法の確立、患者の自立と生活の質の向上を目的にさまざまな活動を展開しています。日本では協会設立が新聞報道されると、全国から多数の問い合わせが殺到、一気に900名が会員になりました。現在は三者合計で3,000名弱。会長は患者から選ばれ、理事会は三者で構成されます。総会は年1回、常務理事会は隔月開催です。治療法研究に向けた若手研究者への助成は1997年から開始。患者や家族を対象とした医療相談会・講演会・交流会は主に中村善晄理事の担当で、地域の人々のため日本全国に支部を設立すべく地道な活動を実践しています。現在までに北海道、東北、関東、近畿、北陸、中・四国、九州など全国22地区に支部・連絡会を設立しました。積極的な広報活動の他、相談窓口となる各支部担当者への研修会も実施。更に2002年8月3〜4日、幕張で開催される国際網膜世界会議に向けた準備に取り組んでいます。これら幅広い活動の財源は全て会費と寄付によるもの。「行政に頼らず、自分たちができることを自ら実践する」をモットーにしながら、厳しい財政運営です。1%クラブの皆様に協会の目指す活動にご理解いただき、8月の世界会議開催に向けて多くのご支援、ご協力をお願いします。

〒101-0021 東京都千代田区外神田5-2-13千代田ビル2階
TEL&FAX:03-3834-5737
e-mail:info@jrps.org
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