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1%クラブ寄付対象団体の紹介

1%クラブニュース (No.61 2002 春)

特定非営利活動法人 スペシャルオリンピックス日本
パブリックリレーションディレクター 湯澤義郎

 知的発達障害のある人たちに多様なスポーツトレーニングとその成果を発表する競技会を提供している国際的なスポーツ組織、これがスペシャルオリンピックスです。ここではスポーツに参加する知的発達障害者たちをアスリートと呼んでいます。

 1963年、自宅の庭を開放して開いた故ケネディ大統領の妹ユニス・ケネディ・シュライバー夫人のサマーキャンプから始まりました。活動はジョセフ・P・ケネディ財団の支援を受けて1968年に組織化され、ワシントンD.C.の本部を中心に全米から世界へ伝播。1988年には国際オリンピック委員会(IOC)から名称使用を正式に認められ、現在約160カ国が加盟、125万人のアスリート、100万人を超えるボランティアが活躍しています。スペシャルオリンピックスの特徴は、年間を通じて日常的なトレーニングプログラムが用意され、身近な地域の施設を会場に、ボランティアが運営やコーチなどを務め、アスリートと一緒にスポーツを楽しむこと。競技会は年齢、性別、競技能力の到達度に応じてクラス分けされ、地区大会、全国大会、世界大会へと広がります。

 日本での本格的な取り組みは1994年、「スペシャルオリンピックス日本」の設立から。きっかけは1991年の夏の世界大会。熊本に住むダウン症と難聴のある10歳のアスリートと彼女を育てたボランティアコーチが、体操競技で銀メダルを獲得したこと。この快挙が多くの人々の感動を呼び「スペシャルオリンピックス熊本」が発足。細川佳代子夫人(元総理細川護煕氏夫人)が代表として積極的な活動を展開したことに始まりました。夫人は組織拡充のために企業人の参画をと、富士ゼロックスへ協力依頼に来社。第二の人生で、スポーツを通じて地域の活性化に役立ちたいと考えていた私に、社会貢献担当から打診がありました。

 「本気で取り組める活動だろうか?」実際に体験してから決めるべく、神奈川県秦野市でのトレーニングプログラムにコーチとして1年半ほど参加。「これは本物だ!」と実感し、出向という形で組織に参画しています。日本では現在、全国21の都道府県に地区組織が設立され約2,000名のアスリートと彼等を支えるボランティアが各地域で活躍しています。2005年には長野県で冬期世界大会の開催が決まり、世界各地からアスリートとボランティアも来日します。それまでに全国の都道府県に地区組織を設立し、アスリートを1万人規模に拡充し、ボランティア人員も増やしたい。これが目下の目標です。出向期限は今年末ですが、目標達成に向けて世界大会開催までは引き続き何らかの形で協力したいと考えています。

 なお、知的発達障害とスペシャルオリンピックスについて多くの人々に関心を持っていただきたく、二人の少年アスリートを主人公とする映画「able/エイブル」を制作し、4月上旬から東京・渋谷で上映しています。1%クラブの皆様もご鑑賞下さるよう願っています。

〒100-0013 東京都千代田区霞ヶ関3-6-14 三久ビル6階
Tel:03-3501-4680  Fax:03-3501-4690
http://www.specialolympics-nippon.gr.jp/


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