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ワンパーセントひろば

─ 企業の社会貢献活動のご紹介 ─

(No.48 1999 August)

住友銀行、住友商事、三菱地所、 三菱商事、東京三菱銀行

● 5社共同主催 ボランティア体験講座
 「盲導犬&アイサポート体験」

 6月16日、日本盲導犬協会のご協力をいただき、上記5社共催によるボランティア体験講座「盲導犬&アイサポート体験」を東京三菱銀行本店にて開催しました。この体験会は、昨年秋に社員のボランティア活動支援に力を入れている標記5社が「担当者の拠点がない大阪でもイベントを実施したい」と“会社”というバリアを越えて集まったことをきっかけに、2回目の今回は大阪だけでなく東京でも実施の運びとなりました。
 今回の講座は、盲導犬を囲み、和やかな雰囲気の中、盲導犬ユーザーでもある目の不自由な方のお話を伺う、という形で進められました。始めに盲導犬に関する基礎知識や視覚障害者をとりまく現状についてお話いただいた後、盲導犬のデモンストレーションを交え、目をつぶって実際に歩いてみる、などの体験を行いました。会食を交えての質疑応答の場では、参加者から様々な質問が飛び出し、活発な意見交換が行われました。普段私たちの気付かぬ所に障害者の方への配慮の足りない点が散在していることに驚き「認識していることと実際に理解できることには大きな違いがあるのですね」「恥ずかしがらずにこの体験を生かしたいです」という感想が聞かれたことは印象的でした。
 盲導犬は視覚障害者の“目”の代わりとなり社会生活を支えています。しかし、全国に約800頭しかいない盲導犬を街で見かける機会は少なく、この社会は盲導犬と生活する視覚障害者にとって不便な点が多いのが現状です。まずは、その現状を一人でも多くの方に知ってもらうこと、そして様々な場面で困っている方を見かけた時に自然に声掛けのできる人が増え社会の中に理解が広がっていく?=Bそれが世の中の「バリア」が自然と消えていくことにつながっていくのでしょう。
 「講座」の中で体験できる事はほんのさわりに過ぎません。しかし私たち担当者は、今後も、このような機会を設け、「相手の立場になって考える」ためのヒントを提供していきたい、と思っております。なお、この体験会は東京に引き続き大阪でも7月14日に日本ライトハウス、大阪ボランティア協会のご協力をえて実施しました。

(株)東京三菱銀行 社会貢献室 平野聡子
TEL:03-3240-3500 FAX:03-3240-3319

(株)リコー

● 社員の自主活動から生まれた福祉機器

 経営理念で「人と情報のかかわりの中で、世の中の役に立つ新しい価値を生み出し提供しつづける」、「自主創造」、「お役立ちの精神」が謳われているように、弊社には社員が社会との接点において新しい価値を見出し、自主活動により社会に貢献するという風土があります。社員のボランティア活動を商品開発に活かした事例をご紹介すると;

「筋ジストロフィー患者向け読書機」の開発
 本の頁をいちいち看護婦さんにめくってもらっていた筋ジストロフィーの患者さんは「自由に本を読めたら良いな」と思っていました。そのことを知ったファイリング機器の関係者が、本をスキャナーで読み込んだ情報をベッドに寝たまま自分一人で読める読書機を横浜市総合リハビリテーションセンターの研究員と共同で開発しました。開発は自社技術を応用し、ボランティアで行いました。
 この読書機が第9回福祉機器コンテストで「ユーザー賞」を受賞したこともあり、社員の福祉機器への関心が高まるきっかけとなりました。

「点字システム(点図くん)」の開発
 バリアフリーに関心を持っていた社員が、自社の技術を応用した点字システムのアイディアを思いつき、独自に市場や仕様などを調査しました。視覚障害をお持ちの方も晴眼者と同じサービスが受けられる様になるためにはまだまだ未開拓の市場であること、図やグラフが描ける点字のニーズもあること、バリアフリーに関する世の中の動向などを関係者に示し、その協力のもとに自らが中心となって商品化しました。

その他の福祉機器の開発
 手話クラブの活動が活発に行われています。その活動の中から聴覚障害をもつ社員を中心にした手話クラブのメンバーが「手話CD−ROM」の企画、制作を行い商品化をしました。聴覚障害をもつ方が実際に困ったことがある場面での会話形式の手話とし、手話の動画部分には手話クラブのメンバーが出演しています。
 また、フェアの会場でお客様から相談を受け、「福祉活動に貢献できるなら」と言う思いを持った社員が「聴覚障害者向けの公衆FAX」を商品化しました。聴覚障害をお持ちの方のご意見を伺いながら、相手の立場にたって仕様を決めていきました。

※点図および手話については下記ホームページで紹介しています。ご参照下さい。
http://ext.ricoh.co.jp/tenzu/
http://ext.ricoh.co.jp/shuwa/
http://www.rhc.co.jp/syuwakensyu.htm

社会貢献推進室 大野 誠
TEL:03-5411-4942 FAX:03-5411-4703

積水化学工業(株)

● 「自然保護活動への取り組み」

 当社は、一昨年の創立50周年を機に、自然保護活動を社会貢献活動の柱と位置づけ、社内に「自然保護活動実行委員会」を組織し、積極的に活動を進めています。海外では、経団連自然保護基金とタイアップして環境NGOが実施するアジアの自然保護活動を支援し、国内では、各地の事業場が地域の自然保護活動を幅広く行っています。

海外の自然保護活動の支援
 積水化学では、経団連自然保護基金を通じて、NGO(非政府組織)が行うアジア太平洋地域の途上国におけるさまざまな自然保護活動を支援しています。現在、インドネシアのコモド国立公園の海洋保全活動やタイのマングローブ植林活動など8件のプロジェクトに対して、経済的な支援を行っています。また、支援をより充実したものにするため、プロジェクトを実施したNGOによる活動報告会を開催するとともに、プロジェクトの活動状況を社内報で報告しています。

国内の自然保護活動の推進
 全国の事業場では、地域と一体となった自然保護活動を行っています。堺工場(大阪)は、「河川を美しくする会」が実施する槙尾川の清掃活動「環境美化キャンペーン」に、社員と家族約40名がボランティアで参加し、一緒に参加した地域市民には花の苗を提供しました。奈良工場は、県立矢田自然公園の里山の保全を行う「グリーンボランティアならクラブ」の活動に、毎月1回、社員がボランティア参加を続けています。このほか、国内13ヶ所の事業場で、地域の環境団体と連携したボランティア活動や自然観察会、事業場周辺の清掃活動などを行っています。

リーダー育成研修「積水化学自然塾」
 地域での自然保護活動を推進するためには、それぞれの事業場に豊かな知識と意欲を持ったリーダーが必要です。積水化学は、各事業場のリーダー社員を育成するために日本野鳥の会の協力を得て、独自の研修「積水化学自然塾」を97年から定期的に実施しています。1泊2日の研修では、環境問題の基本知識や企業が行う環境保護の取り組み事例を学ぶだけでなく、野外学習で自然とのふれあいを楽しませるプログラムになっており、すでに100名以上の社員が参加しています。
 積水化学では、自然保護活動を単なる経済的支援だけでなく、社員一人ひとりのボランタリーな活動参画による地域社会への貢献を目標に、全社をあげて取り組んでいます。

総務部 宮崎浩行
TEL:06-6365-4119 FAX:06-6365-4370

(財)イオングループ環境財団

● 「万里の長城・森の再生プロジェクト」
 第2回植樹祭を開催

 (財)イオングループ環境財団は環境保全に貢献する活動への助成を目的に、ジャスコ(株)の岡田会長ほか2名の役員と、イオングループ1%クラブからの出捐金によって設立された財団です。グローバルな視点から地球環境保全に取り組み、支援活動をしています。その一つに北京市と共催で行う「万里の長城・森の再生プロジェクト」があります。このプロジェクトは中国環境科学学会他との共催で行った「日中環境問題国際シンポジウム」で提言されたもので、万里の長城周辺に39万本のモウコナラの苗木を植樹、緑化して、豊かな自然生態系を蘇らせる活動です。
 万里の長城周辺は風が強く、冬は氷点下30度にもなる厳しい環境。生態学の専門家による現地調査の結果、かつてこの地にモウコナラを中心とする木々が自生していたことがわかりました。北京市のボランティアによって採取された種(ドングリ)を、北京市の育苗場で2年かけて育成し、苗木にしました。3年計画で実施する植樹祭の第1回目は昨1998年。日本からは1,400名のボランティアが自費で参加、1,100名を超す北京市のボランティアと共に国境を超えた森づくり活動を行いました。
 第2回目の植樹祭は去る7月3日(土)、日・中それぞれ1,100名ずつのボランティアが集まり、北京市延慶県八達嶺周辺で植樹を行いました。国際交流を深め、世界遺産である万里の長城から自然の大切さを発信し、グローバルな環境保全活動として来年も実施いたします。

ジャスコ(株) 社長室広報部 堀江・藤枝
TEL:043-212-6061 FAX:043-212-6804


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