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ワンパーセントひろば

─ 企業の社会貢献活動のご紹介 ─

(No.49 1999 October)

東京海上火災保険(株)

●アジアにマングローブの森の再生を願って

 この夏7月19日。ベトナム北部のホン河河口に広がる干潟に、膝まで沈む深い泥の中に立って、泥と汗にまみれてマングローブの苗を植え続ける東京海上の樋口社長とボランティア達の姿がありました。
 東京海上は1879年に日本初の保険会社として誕生し、今年で創業120周年を迎えます。東京海上ではこれを記念して、地球環境保護をテーマに三つのプロジェクトをスタートさせました。「本店におけるISO14001の認証取得」と、この「アジアにおける大規模なマングローブ植林事業」そして「ボランティア活動の推進」の三つです。
 マングローブは世界の熱帯・亜熱帯の汽水域(海水と淡水の交じり合うエリア)に広く分布するヒルギ種やハマザクロなど約100種類の植物群の総称です。マングローブは地域の住民にとって建材や燃料となるほか、そこは魚やエビ・カニ、水鳥や小動物の豊かな生息域となって、彼等の重要な生活基盤となっています。またマングローブの森は、沿岸を襲う台風、洪水、高潮などから、住民の暮らしを守る防波堤の役割をも担っています。
 それとともに最近では、マングローブが地球温暖化の主原因と見做されるCO2の有力な吸収源として、地球環境保護の上で注目されています。しかし、このマングローブの森は、過伐採、塩田や輸出用エビの養殖池、工場やリゾートなどの地域開発、そして戦乱などによる破壊が各地で急激に進んでおり、憂慮されています。
 東京海上では、こうしたマングローブの持つ地球環境保護面での効果に加え、地域社会への貢献、自然災害の予防という保険会社に相応しい役割を持っていること等に注目して、同社に関係の深いベトナム、フィリピン、ミャンマー、タイ、インドネシアのアジアの5カ国で、5年間に計3,000haという大規模なマングローブ植林に着手しました。マングローブの森3,000haとは、幅100m×長さ300kmに及ぶ広大な面積で、そのCO2吸収力は東京海上の全事業活動に伴うCO2の年間総排出量を上回るものと推定されています。
 このプロジェクトは、アジアでマングローブ植林事業に豊富な経験を持つ日本のNGO「オイスカ」と「マングローブ植林行動計画」の協力で進められますが、社員のボランティアが現地で植林活動に参加するというのもポイントの一つになっています。社員、年金社員、代理店とその家族からなる第1回ボランティア・チームが、樋口社長とともにベトナムを訪れました。一行はハイフォン市の近郊で行われたオープニング・セレモニーに参加し、2日間の植林作業に従事しました。
 見渡す限りの広大な泥の干潟に入り、40cmほどのハマザクロの苗木を1m間隔で穴を掘って植え、手で泥を寄せる作業が続けられます。このハマザクロは成育が早く、プロジェクトが完了する5年後には、高さ数mに育って立派に緑の森となっている筈です。
 東京海上では、これからも毎年2回程度、ボランティア・チームの派遣を続けていく計画です。

総務部・社会環境室
TEL:03-3285-0274 FAX:03-5223-3013


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