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ワンパーセントひろば

─ 企業の社会貢献活動のご紹介 ─

(No.54 2000 August)

住友商事株式会社・三井物産株式会社・三菱商事株式会社

●三社合同で「キッズ・パソッコ・クラブ」を実施

住友・三井・三菱の商社3社では、社会貢献活動の一環として、特定非営利活動法人「KIDS(キッズ)」と協働し、児童養護施設向けのパソコン教室「キッズ・パソッコ・クラブ」を本年6月から開始しました。東京都社会福祉協議会の協力をえて、都内5ヶ所(青梅市、板橋区、調布市、杉並区、小平市)の児童養護施設に新しいパソコン2台、プリンター1台とソフト(ワープロ、表計算、インターネット、パソコン学習、その他)、インターネット設備を寄贈しての実施です。
 「キッズ・パソッコ・クラブ」の運営はこれらのパソコンを活用、KIDSメンバーがコーディネーターとなり、3社からの社員ボランティア約50名がパソコン操作の先生役となって行なわれるもの。参加する生徒たちは各施設10〜15名の小学生から高校生までの子どもたちです。先生役の社員ボランティアはグループに分かれて各施設を訪問し、パソコン操作方法の指導を通じて施設で暮らす子どもたちとの交流をはかります。単にパソコン操作の学習や情報技術の習得だけではなく、パソコンを媒体に触れ合いを重ね、豊かな人間形成にも寄与できればと企画されました。
 さる6月17日(土)の午後、板橋区にある児童養護施設「まつば園」で行なわれたオープニングセレモニーには、各社の社会貢献担当や社員ボランティア、KIDSメンバーも出席。施設の責任者や子どもたちに加え、マスメディアの取材も入る活気あふれるセレモニーでした。リボンに飾られた真新しいパソコン2台などのテープカットの後、小さな子どもたちは早速パソコンを取り囲み、目を輝かせてゲームに挑戦していました。 「キッズ・パソッコ・クラブ」の開催期間は6月から12月までの7ヶ月。毎月1回、土曜日午後行ないます。「パソコン指導の中で各施設毎にホームページ作りを行ないたい」。コーディネーター役のKIDSメンバーはインターネットを通じて、将来は海外の子どもたちと情報交換ができればと、夢をふくらませていました。

(1%クラブ 取材記事)

* KIDS:
さまざまなハンディを背負った子どもたちに継続的な支援を行なっているNPO。首都圏在住の企業人が中心メンバーで、年間を通じ子どもたちとの交流・支援を行なっています。1%クラブの寄付対象団体。

幹事:三菱商事(株) 環境室
TEL:03-3210-7179 FAX:03-3210-9257

協和発酵工業株式会社

● 「移動理科実験教室」を開催

 当社では地域貢献活動の一環として「移動理科実験教室」を始めました。きっかけは社長から「若い人の“理科ばなれ”が言われて久しいが、科学の面白さに対して子どもたちに素朴な驚きや感動を持ってもらうことで、科学心を芽生えさせるような活動をしたらどうか」との提案でした。これを受けて顕微鏡などの器材を運ぶ車、名づけて「バイオアドベンチャー号」で学校等を訪問する「移動理科実験教室」の企画が生まれました。
 当社研究所がある町田市教育委員会に、この企画について話をしたところ、科学教育センターの講座に参加することになり準備を始めました。最初の活動は小学5年生を対象とする「微生物は働き者」というテーマ。授業の10日ほど前に寒天シャーレに葉・土・ごみなど身近なものを入れて封をし、当日顕微鏡でのぞくという内容です。子どもたちには全てが初めての体験。プロの使う高倍率の顕微鏡をとおしてスクリーンに映し出された酵母やかびに驚きの歓声を上げ、どの子も興味深く実験を観察しました。
 「初めて微生物を見た」「シャーレに入れて放っておいただけでいろんな物が増えていて驚いた」「微生物のイメージが変わった」など子どもたちには大好評。「いろいろな種類の微生物のにおいをかいだり、松の葉が微生物によって分解される過程を見たり、学校ではなかなかできない授業です。専門知識がわかりやすく説明され、子どもたちには良い経験になったと思う」と、先生方にも高い評価をいただきました。
 授業を行なった主任研究員は「子どもたちに教えるのは新しい感覚でとても楽しかった。この企画は継続が大切です。今後ともできることから一つずつ実行し、科学好きの子どもたちを少しでも増やしていければいいですね。地域社会の一員として、これからも地道に地域貢献活動を心がけます」と語っています。当社の工場、研究所のある地域を手始めに、今後、教育現場の支持を得て活動の場が広がり、バイオアドベンチャー号が多くの地域に駆けまわることを楽しみに、継続したいと思っています。

コーポレートコミュニケーション室
TEL:03-3282-0142 FAX:03-3282-0990

味の素株式会社

●第1回『食・栄養・保健分野における国際協力』活動報告会を実施

 当社は、社会貢献活動の柱の一つとして、グローバルプログラム「食・栄養・保健分野における国際協力」を推進しています。当プログラムは、開発途上国の発展の一助として、主に東南アジア・南米を対象とし、各国の政府機関、NGO、各関係団体と連携しながら、現地での食・栄養・健康面でのバックアップをするものです。
 6月19日、当社従業員、国際協力に興味のあるNGO、企業の社会貢献担当者などの方々にお集まりいただき、本社大会議室にて、「第1回『食・栄養・保健分野における国際協力』活動報告会」を開催しました。当報告会の意義は、当社の社会貢献活動スローガン「社会と共に歩み、社会から学ぶ」を実践するもの。当社が行なっている社会貢献活動の理解促進と、今後の国際協力のあり方を共に学んでいきたい、という点にあります。
 当日は、現在始まっている「フィリピン・プロジェクト」の3名の代表者が来日し、それぞれの活動について報告いただいた後、情報交換会を行ないました。

フィリピン・インテグレーション・プロジェクト
(財)ジョイセフ(家族計画国際協力財団)との共同支援で、バタンガス州が運営。住民参加と住民の自助努力による「自立」をキーワードに、リプロダクティブ・ヘルス(RH)及び栄養状態の向上に貢献することを通じ、住民の生活の質の向上に寄与する。

フィリピン・栄養改善プロジェクト
フィリピンのNGO、LIKASがソルソゴン州イロシン自治区内で実施。チャイルドマインディングセンターの建設、栄養改善、栄養不良児向け食事プログラムの組織化などを実施。

フィリピン・コミュニティベースの栄養教育モデルの研究開発
フィリピン科学技術省・食と健康の研究機関(FOOD AND NUTRITION RESEARCH INSTITUTE=FNRI)が、実施するコミュニティベースの栄養教育モデルの研究開発。
 情報交換会では、NGO、研究者、企業など様々な立場から、各リーダーに対して「本当にそのプロジェクトが地域の人々の役に立つのか」など活発な意見が出され、お互いに刺激のある時間となりました。今後も年に一回、継続的に実施して、“社会から学ぶ”ことを大切にしていきたいと考えています。

* リプロダクティブ・ヘルス(RH):
妊娠・出産のシステム及びその機能とプロセスにかかわる全ての事象において、単に病気がない、あるいは病的な状態にないということではなく、身体的・精神的・社会的に良好状態にあることをいう。(WHO、1992年)

広報部社会貢献チーム
TEL:03-5250-8141 FAX:03-5250-8314


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