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ワンパーセントひろば

─ 企業の社会貢献活動のご紹介 ─

(No.55 2000 秋)

三井物産株式会社

● 地域社会とのお付き合い

 当社は本年1月より、社宅、独身寮、社員福利厚生用のグラウンド等のある船橋市、川崎市、府中市3市の障害者共同作業所とのお付き合いを始めました。
 具体的には、自社グラウンドの開放に始まり、凧上げ大会・散歩の場所の提供及び寮や社宅で不要となった家具・電気製品・什器等の提供、廃品回収への協力があります。一方、作業所で作られた箸置き、割り箸、しおり、小袋等の小物作品を当社が購入し、これらの作品を本社1階フロアの「ゆめぽけっと」(社員から募集してできた社会への寄与を目的とするコーナー)で、同額で販売しています。同じフロアの花屋さんにも賛同いただき同じコーナーが設けられています。
 この様なお付き合いをする中で、今般、府中市の「あけぼの福祉会」の作業所がパンを焼くことを始められ、このパンを当社独身寮の食事の一部に取り入れられないかと申し入れがありました。関係施設の支配人や管理人、料理主任を始め約30名の寮生がテーブルロール、食パン、全粒粉食パンの3種類を試食。結果は「何時ものパンより美味しい」と寮生の好評を得ました。「あけぼの福祉会」の最終方針と保健所の許可取得を待ち、月に1〜2度、独身寮の朝食に組み入れる方向で具体的な検討に入っています。これが決まれば、日に40食の量となる予定です。特に若手の寮生が障害者の作業所で焼かれたパンを賞味し、社会へお役にたつことの一助になれば、社員による新しい形の社会貢献活動になると考えます。今後とも社員ならびにその家族の住む地域社会と繋がりのある、身近な案件を中心に積極的に取り組み、社会貢献活動に協力していきたいと考えています。

総務部総務業務室
TEL:03-3285-7598 FAX:03-3285-9552

ファイザー製薬株式会社

● 「心とからだのヘルスケアに関する市民活動支援」を創設

 当社は、このたびヘルスケアの領域で活躍するNPO(法人格は問わない)を対象とした新規事業「ファイザープログラム〜心とからだのヘルスケアに関する市民活動支援」を創設し、2000年9月1日付けで全国のNPOに向け助成対象プロジェクトの募集を開始しました。
 本プログラム創設の目的は、ヘルスケアの領域で今後一層の活躍が見込まれるNPOを発掘し、その活動を助成とPRの両面から後押しするとともに、これからの社会の担い手として重要な役割が期待されるNPO自体に対する社会的認知を高めることにあります。
 プログラムの特徴は、(1)ヘルスケアに関わる活動に支援対象を限定していること、(2)過去の実績ではなく、NPOの成長性、プロジェクトの独創性・試行性に評価の重点を置いていること、(3)公的機関からの資金を得にくいプロジェクトや複数の団体で共同・協力して行なうことによって、より高い効果が得られるプロジェクトの応募を呼びかけていることがあげられます。
 本年度の重点対象分野としては、(1)成長過程にある若い人たちの抱える問題を克服し、心身の健やかな発達を支援する活動、(2)外国人、路上生活者、貧困層といった医療を受けにくい環境にある人たちの心身の健康を支援する活動、(3)身体障害、知的障害、精神障害などを持つ人や難病、長期疾病にある人たちの充実した生き方を支援する活動があげられています。助成金総額は1千万円、5件程度の助成を予定しています。募集期間は9月1日〜10月2日、2001年に申請団体が取り組むプロジェクトが評価の対象です。助成決定団体への贈呈式は11月27日に予定しています。助成対象となったプロジェクトについては、社会に広く紹介(PR)する効果的な方法を検討中です。ファイザー製薬では、来年度以降も本プログラムを継続し、着実に活動の規模を拡大していく計画です。なお本プログラムの立ち上げにあたっては日本NPOセンターの企画協力をいただいています。
 当社の社会貢献活動は、社内広報および社員の行動規範である「価値規準」(Core Values)の浸透プロジェクトを主業務とするインターナル・コミュニケーションズ部が担当しているのが特徴的です。これは、同部が8つの「価値」(Value)の1つとして「人間尊重」「誠実と高潔」と共に「善き市民」(Community)の実現のためリーダーシップを採ってきたためです。同部は本年3月、「マッチングギフト制度」(社員の寄付に同額を会社が上乗せする制度)を導入、さらに、社員の参加しているボランティア団体に資金的支援をする「ボランティア活動サポートプログラム」(仮称)の導入を目下検討中です。

インターナル・コミュニケーションズ部
TEL:03-3344-7524 FAX:03-3344-7215

ワタミフードサービス株式会社

● 第2回わたみ北海道自然学校

 当社の社会貢献への取り組みは、「教育」「環境・農業」「地域交流」をテーマとしています。「教育」に関しては昨年8月から、小学校高学年を対象に「わたみ北海道自然学校」を始めました。未来を担う子どもたちの教育に一歩踏み込んだ活動を展開していきたいと考えています。また、外食産業として世界ではじめてISO14001を取得した当社は、「環境・農業」に力を入れて、地球環境の保全にも積極的に取り組んでいます。「地域交流」では、ボランティアとして地域施設のバザーに参加し交流を深めるとともに、各店舗で食事会を開催し、障害ある方にも楽しく食事をしていただけるような企画を実施しています。
 これらのテーマの中から、さる8月に開催した「第2回わたみ北海道自然学校」を今回ご紹介します。自然学校では「人間は、もって生まれたものが違う」という原点に立ち、子どもたちそれぞれの違った資質を、それぞれに高め、自分自身の夢を育てていくのを見守っていきたいという願いをもって毎年開催しています。今年は8月21日〜25日の4泊5日。小学校4〜6年生の34人の子どもたちが参加しました。主なプログラムは、牧場で遊ぶ・ネイチャーゲーム・キャンプファイヤー・農作物収穫・魚のつかみ取り・プール・ジンギスカン・牛の乳絞りとバター作り・いかだで川くだり・星の体感・気球体験・巣箱作り・・・など。
 これらの体験と共に、校長先生(当社社長)より“お話”という形で授業を行なうもので、それぞれのプログラムは子どもたちにとって楽しい体験となるとともに、「夢」「自然」「思いやり」「友達」ということについて考えるきっかけを提供するものです。今年は「お父様・お母様への感謝について」「日本・世界の農業」「夢をもつこと」「命の大切さ」「思いを形にすること」「目にみえないものの大切さ」について話し、子どもたちは自分の夢についての作文・感想文・両親やお世話になった農家の方々へ手紙を書くことを通して、学んだことをすぐに行動に移す実体験もしました。
 5日間に子どもたちが見せた笑顔は、夏の太陽も顔負けの、大変暖かく輝かしいものでした。子どもたちの見せた笑顔から、私達は子どもたちに、「人生の大切なもの」を考えるきっかけを与えることができたと実感しています。今後も、未来を託された子どもたちへの教育活動を充実させたいと考えています。

社長室 E-mail:wfs@butaman.ne.jp
TEL:03-5703-2255 FAX:03-5703-2700

花王株式会社

● 「みんなの森づくり」キャンペーンを実施

 このたび当社では、(財)都市緑化基金が実施する「みんなの森づくり」助成事業への支援を通じて、「緑豊かな生活環境づくり」のお手伝いをする社会貢献キャンペーンを実施します。自然環境保全への関心が高まるなかで、「暮らしの身近にある自然を守り、育てよう」という、多くの人々に共通する願いを、かたちにすべく始めるものです。
 1981年に設立された都市緑化基金は、失われつつある都市の緑の保全・緑化のための普及啓発と共に、人と緑とのふれあいづくりを支援する助成活動「みどりの森づくり」など、地域社会における緑化活動推進に関わる事業を行なっています。
 「みどりの森づくり」キャンペーンは当社の花王ソフィーナを除く全商品を対象に、全国のスーパー・ホームセンター・薬局・薬店など、流通のご協力を得て、9月1日から10月31日まで実施します。期間中の売上げ総額の0.1%相当額(上限3千万円)を(財)都市緑化基金に寄付し、生活の身近にある緑の保護・育成活動を推進している全国の団体やグループへ助成金を贈呈し「みどりの森づくり」活動に役立てていただきます。
 買い物を通じて「手軽にできる社会貢献」への賛同を、広く消費者の皆さまに呼びかけ、同意されたお客さまが商品を購入してくださると、その売上げの一部(花王が負担)が、寄付や奉仕活動に活用されます。花王ではこのような社会支援型キャンペーンを通して、こころ豊かな生活文化の向上に貢献してまいります。

広報センター 社会関連グループ
TEL:03-3660-7057 FAX:03-3660-7994

アサヒビール株式会社

● 避難の一夕、三宅島の皆さんに生ビールを

 とあるボランティア団体の懇親会で、日本青年奉仕協会の斎藤さんと立ち話をしたことが発端でした。「今、オリンピックセンターに一時避難で来られている三宅島の皆さんを元気づけてあげたい。それで、食堂を一夜だけビアホールにしてしまおう、と思っているが…」。それでは!ということで、ビールを代々木にお届けすることになりました。最初は、缶ビールをお届けすることで手配を進めていたのですが、社内の若い社員から、「冷たい生ビールをみなさんにお配りしましょうよ」「私たちで生ビールを注ぎにいって、ビアホールを盛り上げよう!」と声があがり、当日は、様々な部署の若手社員10名で会場にお邪魔することになりました。ただ、いよいよ会場に向かう道中になって、報道で見る被災地の現状に対するやるせなさ、被災された方々の気持ちを慮り、私たちに何ができるのだろうか、という思いで社員それぞれの気持ちが一杯になっていたのも事実です。しかし、食堂で夕飯をとられる皆さんに生ビールをお配りしているうちに、「生ビールを飲むなんて、本当に何カ月ぶりだろう」「最初の噴火以来、ゆっくりと飲んでいられなかったから、嬉しいよ」「今夜はちょっとだけモヤモヤが吹き飛んだよ」という声をかけていただき、またビアホールも終盤にさしかかった頃には、多くのみなさんから、「絶対三宅は復活するからその時は遊びに来いよ!」と肩をたたかれ、握手を求められました。今回、「ビール」を介して島の皆さんにお会いし、つくづく島の皆さんの気持ちのあたたかさと「島」に対する深い愛情、そして、その「島」が生み出したコミュニティの存在を感じざるをえませんでした。住民の皆さんの手で守り育てられてきた三宅島の復活を願ってやみません。復活後の三宅島での再会、そして、その時の祝杯を約束した夜でした。

環境文化推進部
TEL:03-5608-5195 FAX:03-5608-5201


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