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ワンパーセントひろば

─ 企業の社会貢献活動のご紹介 ─

(No.63 2003 春)

J-フォン(株)

モバイルエコスクール

J-フォンでは“Passion for the world around us−私たちを取り巻く社会への情熱”という企業バリューがあります。これは、“私たちが提供するサービスとその社会への影響を通じて、私たちは、世界中の人々の生活をより豊かにするお手伝いをします”という理念であり、このバリューに基づいた社会貢献プログラムを実施しています。その一つが、当社のカメラ付き携帯電話、写メールを利用した「モバイルエコスクール」です。
「モバイルエコスクール」は、親子参加の自然観察プログラムです。参加者は、写メールで“撮る”ことによって昆虫採集、植物採集をします。むやみに捕まえない、切らない昆虫や植物採集を通して、親子で生命の大切さや環境保護を考えるきっかけを提供することを目的に実施しています。
御殿場で開催した前回のスクールには、総勢100人近くの親子が参加しました。最初に、参加者の皆さんに、カメラ付き携帯電話の使い方をお伝えします。子どもたちはすぐに使い方を覚えてしまうのに比べ、四苦八苦する大人たち。子どもたちに使い方を教えてもらう一幕もありました。観察中に名前のわからない虫や植物の映像は、写メールの機能を利用して、遠隔地にいる専門家に送ります。専門家はパソコン上で受信した映像をみて、名前などコメントをつけ、その親子が持つ携帯電話へメールで返信します。専門家からの返信に歓声がおこり、親子で食い入るように携帯電話の画面をみていました。お互い撮影した昆虫を写メールで送りあい、自慢する子どもたち、大人たちも子どもに戻ったように夢中になって観察、撮影していました。参加者達は、「このようなスクールに参加するのは、初めてです。名前がすぐわかり便利です。」「楽しいです。虫を殺さなくていいし、虫を殺すのは、かわいそうです。」と当社のプログラムを理解して、楽しんでくれました。
また、親子が撮影採取したたくさんの昆虫、植物は、当社の用意したサーバーにモバイルエコミュージアムとして保存され、参加者が自宅のパソコンから見ることもできるようになっています。
次回のイベントで、子どもたちの驚く顔、喜ぶ顔を楽しみに準備しています。

総務部CSRグループ
TEL:03-6403-1002  FAX:03-6403-2932

NECソフト(株)

武生国際音楽祭への支援

NECソフトは、「社会への積極的貢献をする」という経営指針、および、「自らの特性を生かし、あらゆる人々がいつでもどこでも快適に暮らせる社会を目指します」という社会貢献基本方針のもと、「地域貢献」「福祉活動」「ボランティア支援」の三分野に注力しています。
「地域貢献」の一つとして、2003年で14年目を迎える「武生国際音楽祭」(福井県武生市)への支援を1996年より実施しています。活動は大きく二つに分けることができます。一つは年間通して行っているもので、NECソフトのウェブサイトの中で、武生国際音楽祭のホームページ(http://www.necsoft.co.jp/takefu/)を開設し、世界に向けた情報発信の維持および管理にあたっています。もう一つは音楽祭開催期間中(6月)に行っているもので、NECソフトの社員数名が現地に赴いてメイン会場ロビーにサテライト・オフィス(会社と同じネットワーク環境が整った簡易オフィス)を設置し、通常の仕事の傍ら、PR活動の支援を実施しています。
具体的には、期間中の各種コンサートに関する取材・撮影・講評のサポート、写真や講評のホームページへの即日掲載、メイン会場ロビーにおける前日のコンサート模様の放映などを行っています。また、同じくメイン会場ロビーにおいて、数台のパソコンを設置した“Web Site Square”を設け、音楽祭のコンサートに来場した方々に、出演者のホームページにアクセスしてもらったり、その場で感想を入力してもらったりするなど、コンサートの合間を使ってITの世界に親しんで頂いています。
なお、2002年の音楽祭のファイナルコンサートで「交響曲第九番ニ短調」(ベートーヴェン作曲)を演奏することに伴い、2002年1月には社内向け社会貢献活動ホームページを通じて合唱団員を募集し、その結果、4名の社員が自主参加しました。また、2001年より始まった「武生国際作曲ワークショップ」についてもNECソフトは音楽祭と同様のサポートを行っており、2002年にはさらに資金援助を実施しました。
2003年の武生国際音楽祭は、モーツァルト、シューベルト、アントン・ヴェーベルンをテーマ作曲家として、6月8日(日)から15日(日)まで開催されます。是非奮ってお出かけ下さい。

総務部
TEL:03-5569-3267  FAX:03-5569-3273

1%クラブ チャリティー・フェスティバル

昨年12月7日に開催した、1%クラブのチャリティー・フェスティバルでは、現代美術・映像作家の田中勝さんより、サンフランシスコ在住の画家、ベッツィ・ミラー・キュウズさんとの共同作品制作や平和をキーワードとする国内外での交流活動に込めた思い、特定非営利活動法人Art Peaceの活動についてお話を伺いました。その時の講演をもとに、平和を創造するアーチストの挑戦をご紹介します。

平和を創造するアーチストの挑戦

21世紀を迎えても、未だ世界各国で内紛が起こり、戦争の火種は燻り続けています。21世紀を“平和の世紀”にという、人類の願いを実現するために、芸術を通じて平和に貢献しよう、という運動が始まりました。その運動の中心的役割を果たしているのが、広島出身の現代美術・映像作家、田中勝さんです。田中さんは、1998年春に初渡米した際、国際美術展で父親の被爆体験や母校にまつわる原爆の話を披露しました。その会場に、偶然、画家ベッツィ・ミラー・キュウズさんが来ていました。ベッツィさんの父親は、原子爆弾研究のマンハッタンプロジェクトに関わる物理学者。この二人の運命的な出会いが、平和を創造する活動の歯車を回しました。
二人は、“戦争の世紀”と言われた20世紀末に、対立した歴史を越えて平和を創造することが可能であったという事実を残そうと、すぐに共同作品制作にとりかかりました。田中さんがカメラ付きフィルムで撮影した写真とベッツィさんが描いた絵画をコンピュータでコラージュする方法で、Eメールでやりとりしながら作品はつくりあげられていきます。そして、二人は、その作品を持って、小学校などを訪問し、平和のメッセージを伝えていくことにしました。世界各国で展覧会を開催するだけでなく、2000年8月6日には、田中さんの母校、己斐(こい)小学校で初めての慰霊祭を実現させました。爆心地から3kmの同校は仮設の火葬場となり、800体の死体が火葬され埋められた場所です。地域の人々が触れずにきた過去は、慰霊祭に参列した地域の被爆者の方々から子どもたちへと語り継がれました。
人々の心に平和の大切さを刻み込み、平和への貢献ができる人になりたいと願う心を育む。そのために、田中さんは仲間を募って、特定非営利活動法人Art Peaceを立ち上げました。Art Peaceの活動は、平和は人間が創り出すものということを心に刻み、私たち一人ひとりが行動することが大切だと投げかけています。

(文責 1%クラブ事務局)

特定非営利活動法人Art Peace
http://homepage2.nifty.com/art-peace/


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