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ワンパーセントひろば

─ 企業の社会貢献活動のご紹介 ─

(No.64 2003 秋)

トヨタ自動車株式会社
「里山学習館エコの森ハウス」がオープン

トヨタ自動車は、環境への対応を最重要課題の一つとして位置づけています。事業活動における環境対応はもとより、社会貢献活動としても、各種助成プログラムや環境保全活動、環境を軸とした人材育成・啓発活動などに幅広く取り組んでいます。
豊田市岩倉町のフォレスタヒルズにある「トヨタの森」は、このような活動の代表格。1997年のオープン以来、1万人を超える来場者を、また昨年度は、総合学習のための合計58クラス2千人の小学児童を迎えるなど、多くの人に五感で自然と触れ合う場を提供しています。
そしてこのたび、「トヨタの森」の活動をもっと広げたいと、同地に「里山学習館エコの森ハウス」を建設、5月14日にオープンしました。小学校高学年を対象にした「エコの森ハウス」は、棟ごとにテーマを設定し、[森の情報館]、[森の学習館]、[バイオマス伝統館]、[バイオマス未来館]に分かれています。どうすればさまざまな地球環境問題を解決し、人間とあらゆる生き物がいきいきと暮らせる社会をつくることができるか、昔の人たちの暮らしの知恵を体験し、植物の力(バイオマス=生物資源)をエネルギーや材料として利用する未来の暮らしについて学ぶことができます。建物も、環境を考えた技術をたくさん取り入れました。遊びながら学べる工夫も、いろいろと考えました。
地球にやさしい未来の暮らしについて一緒に考える。「里山学習館エコの森ハウス」はそのような場所にしたいと思っています。スタッフ一同、皆さんのお越しをお待ちしています。

総務部企画室
TEL:0565-23-1160  FAX:0565-23-1230

三菱商事株式会社
「介護」をテーマにMCボランティア体験講座を開催

「グッド・コーポレートシチズンとしての自覚を持ち、地球的視野から社会に対し幅広い貢献活動をおこなう。」これは、三菱商事の社会貢献活動に対する基本理念です。当社はこの基本理念に基づいて、環境室主体で地球環境・福祉・国際交流・教育・文化芸術の各分野において、さまざまな社会貢献活動を国内外で推進しています。
中でも、福祉分野に対する社員の関心は高く、このことは「母と子の自然教室」(毎年夏に東京都内に住むひとり親家庭の母子約130名を新潟県南魚沼郡の吉里へ招待し、社員ボランティアと共に自然の中で過ごす4日間のプログラム)が30年続いている理由の一つでもあります。
この夏、三菱商事では「ちよだボランティアセンター」の協力を得て、福祉の中でも最近特に関心が高まる介護をテーマにした講座を開催しました。本講座は、社員のボランティア活動促進を目的として、社員とその家族を対象に、「知る」「体験する」「ボランティア活動をする」3回の連続講座としました。
第1回は7月10日、社内会議室で「介護に関する基礎知識」と題して、千代田区の「一番町高齢者在宅サービスセンター」から看護師を、また高齢者を中心としたすべての生活者の住環境づくりを専門とする「NPO生活・福祉環境づくり21」から講師を招き、高齢者の身体・精神面の変化やバリアフリー等について詳しい講義を受けました。
第2回は7月24日、社内会議室において、当社の関係会社である(株)日本ケアサプライ(福祉用具・機器のレンタル卸業及び販売卸業を事業内容とする)から講師を招き、介護用ベッドや車いす等を使いながら、介護用具や介護保険についての講義でした。また、ちよだボランティアセンター梅沢氏の指導のもと、ギアを装着して、高齢者にはどのような不自由さがあるか、疑似体験を行いました。
3回目は8月30日、千代田区一番町にある特別養護老人ホームを訪問し、半日ボランティアを体験しました。特に介護を必要とする高齢者約80名が生活する施設で、相談員やスタッフの方々に教えをうけて、シーツや枕カバーの交換、車いすの清掃を行いました。参加者は、車いすの使い方や介助方法を学ぶ講習会にも参加しました。
介護をテーマにした社会貢献プログラムは初めてでしたが、社員の関心は予想以上に高く、参加者は社員の家族も含め述べ50名以上に。テーマに沿った連続講座を受講することにより、徐々に介護やボランティアについての理解を深め、自然な流れの中で活動に入ることができたと思います。
社員からは、「とても良い経験だった」「このようなことで役に立つのならこれからも活動しようと思う」という感想が多く、本講座の模様を社内テレビで放送した後も、社内から続編開催を望む声が寄せられています。
「介護とは?体が不自由になるとは?」、「いつか迎える老後の生活を考え、社会でも家庭でもサポートが必要となる高齢社会で、あなたにできることとは?」。誰もが共通して持つ社会のテーマを取り上げ、問いかけからスタートした本講座は、参加した社員や家族だけでなく、その他多くの社員にも、「今、自分にできること」を考え、行動に移す良いきっかけとなったようです。
今後も意義ある社会貢献プログラムをより多くの社員参加を求めつつ、推進していきます。

環境室
TEL:03-3210-9201  FAX:03-3210-9257

三井物産株式会社
「おやこ坐禅体験教室」を開催

三井物産は、東京国立博物館と日本経済新聞社が主催し、当社等が協賛する建長寺創建750周年記念【鎌倉−禅の源流】展開催期間中に、“おやこ坐禅体験教室”を開催しました。国立博物館内の文化財である応挙館(旧三井物産の初代社長・益田孝が東京品川の邸宅敷地内に所有したこともあり、室内障壁画は丸山応挙筆)を会場に、午前・午後各1時間のプログラムに小学4年から6年生の児童と保護者29名、社内ボランテイア11名、スタッフ等合計56名が参加し、鎌倉時代を代表する禅寺から教学部長をお迎えして“禅の心”に触れる静かなひとときを過ごしました。
建長寺の高井教学部長から坐禅の意味や座り方、呼吸法などの指導をうけて数回の坐禅を体験、その後はおやこでゆっくりと展覧会を鑑賞する機会を持ちました。参加した子どもたちから、「一生に一度かもしれない経験ができて良かった、警策で叩く音が痛そうだった」、「お坊さんの話が面白かった」、「勉強で集中できないときに坐禅をやってみたい」、「鎌倉幕府の宝物を見て感動し、歴史に興味を持った」、などの感想がありました。保護者からは、「機会の少なかった坐禅をし、鎌倉文化に触れるなど、貴重な体験だった」、「三井物産がこのような文化活動を行っていると、初めて知った」などの感想が寄せられました。本格的な坐禅を行い、国宝級の文化財を見たことが子どもの記憶に残り、歴史や文化等に興味が広がるきっかけになれば、とても嬉しく思います。
当社から参加したボランテイアは、「子どもたちと一緒に、普段入る機会がない応挙館という貴重な場所で坐禅体験ができ、感激した」、「当社が協賛などしている行事にもっと参加したい」等の感想の他、企業の社会貢献活動に関するさまざまな提案や意見が寄せられました。
社会貢献活動に関して、社内からも問い合わせや意見が寄せられることが多くなりました。社会貢献室でプログラムを企画・実施する際には、社員の思いを反映させた社会貢献活動の実施ができればと考えています。地域社会の方々とどのように交流し貢献できるのか、今後も試行錯誤を重ねながら取り組みを重ねていきたいと思います。

広報部社会貢献室
TEL:03-3285-7563  FAX:03-3285-9819

株式会社山田養蜂場
ネパールでの植樹活動

山田養蜂場では1999年よりネパールへの支援活動を続けています。養蜂会議を通じてお付き合いが始まった日本語学校校長のシャム・バハドゥル・ダンゴル氏の協力を得て、現地の生活支援、教育支援、植樹活動を行ってきました。
首都カトマンズ周辺の山々は、都市生活者や観光客の燃料需要を満たすために、長年にわたる森林伐採が進み、森の減少が大きな土砂崩れなどの深刻な問題を引き起こしています。ネパールの人々のためにどのような支援ができるのだろうかと考えたとき、生活に役に立ててもらえる木を植えることが、今最も必要だと思い、植樹活動をスタートさせました。5年目にあたる今年は、社員5名と一般参加者3名で7月12日に日本を出発し、14日と15日の2日間現地で植樹を行いました。
ネパールでは乾季と雨季の差が大きく、植樹に適しているのは、雨季が始まる6月末から7月にかけての時期です。14日、首都カトマンズから車で1時間ほど走った場所にある村から、時折激しく降る雨の中、植樹場所まで約2時間の山登り。ぬかるんだ斜面に足を滑らせ、足元から這い上がってくる山ヒルに悩まされながらの山登りとなりました。標高1600メートルあたりの植樹場所、トゥンギダーラ山の斜面に到着した頃には、すでに赤い民族衣装を身に着けた大勢の地元の女性たちが木を植えており、私たちの到着を満面の笑顔で出迎えてくれました。向かいの急斜面で植樹を行っている人々も手を振って迎えてくれました。
植樹した木は、現地の方たちが食糧にしたり、材木や薪にできるような樹種や、養蜂のためにミツバチがはちみつを集める蜜源樹を選んでいます。苗木は国営の樹苗育成センターからの供給ですが、植樹の本数や植樹活着率など過去の実績を高く評価され、今年は昨年より2万本多い5万本の木を植えることができました。1999年からの植樹総本数は13万本を越えました。
翌15日は同じ場所でセレモニーと記念の植樹を行い、即興の歌と踊りと共に言葉の壁を越えた素晴らしい交流の時を持ちました。お互いの理解を深め、地球環境の再生に少しでも役に立つ活動を今後も進めていきたいと思っています。
麓に下りてから村の小学校訪問、養蜂の現場の見学と、昨年、一昨年植樹した場所の生育状況などを視察しました。小学校訪問では、昨年秋に山田養蜂場の社内ボランティアが集めた古着を贈った先の子どもたちが大勢集まってきました。どれほどうれしかったかを、私たちに伝えてくれた小さな子どもの行動に、目頭を熱くしました。
実際にどのような状態なのかを自分たちの目で見て、本当に必要とされているものを自分たちの手で渡したい、そこに人と人とのふれあいと言葉に尽くせない感動が生まれます。木の成長は長い年月がかかります。私たちの活動も木の成長とともにしっかりと大地に根ざしたものにしていきたいと思います。

文化広報室
TEL:0868-54-1906  FAX:0868-54-3346

社会福祉法人 基督教児童福祉会(CCWA)
企業とNGOのコラボレーション「チャリティ古本市」の開催

「このような形で国際協力できて嬉しい」、「定期的に続けてほしい」、「会社にいながら温かい気持ちになった」とは、8月20日に行われた「チャリティ古本市」のアンケートに記された感想です。(株)ジャパンエナジー(以下、ジャパンエナジー)は、長引く干ばつに苦しむエチオピアの子どもたちに緊急食糧を支援するため、社内イベント「チャリティ古本市」を開催しました。
ジャパンエナジーでは、寄付金による募金協力だけではなく、寄付の対象となる国際協力事業を具体的に理解することによって、社員の参加や満足感を高めたいというねらいを持っていました。他方、飢餓の危険にさらされるエチオピアの子どもたちに今年6月より緊急食糧支援を開始した基督教児童福祉会・国際精神里親運動部(以下CCWA)は、日本国内での協力呼びかけを開始したものの、募金に苦労していました。このような双方の事情が結びついて、「チャリティ古本市」というコラボレーションが実現したのです。
ジャパンエナジーでは、社員に「本の提供」、「運営ボランティア」、「本の購入」のいずれかの協力によって参加できる方法を取り、多くの社員が国際協力をより身近に感じることができるように工夫しました。「チャリティ古本市」は、同社の社内電子掲示板・ポスター・社内放送で紹介され、この呼びかけに社員から寄せられた古本は、CCWAが会員に依頼して集めた古本も加えると、約1,600冊に及びました。
当日、会場では、エチオピア紹介のポスター掲示、民族衣装の展示、香辛料の試食、CCWAスタッフによるエチオピアの支援事業の紹介などがあり、来場者が本を選ぶだけでなく、エチオピアやそこで行われる緊急支援事業について理解できる時間を持ちました。来場者は150名、600冊を販売し、売上金は募金を合わせて79,375円になり、全額エチオピアでの緊急支援に寄付されました。この金額は、約80名の栄養不良児に対して3カ月間提供される緊急食糧に相当します。
会場で行ったアンケートは回収率が60%を上回り、参加者の関心の高さがうかがわれ、今後の課題も明らかにされました。
「チャリティ古本市」は成功したものの、エチオピアの厳しい状況は今なお続いています。CCWAは、緊急食糧支援に引き続き、安全な水を確保するための井戸や水の供給所を建設するプロジェクトを8月から開始しています。このイベントを担当したスタッフは、「社員の方々が協力してくださった気持ちをエチオピアに届け、プロジェクトの進捗状況や結果を報告しながら、今後も協働していきたい。また、他の企業の皆さんともコラボレーションの可能性を探っていきたい」と抱負を語っています。

国際精神里親運動部
TEL:03-3399-8123  FAX:03-3399-0730


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