企業人政治フォーラム速報 No.6

1996年11月8日発行

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企業人政治フォーラム会員アンケートの結果まとまる

当フォーラムでは、10月に会員を対象にアンケートを実施し、フォーラムの活動への期待や、政治への要望について聞いた。合計868名から寄せられた回答を見ると、総じてフォーラムの活動に対する期待は高い。一方で回答者の90%近くの人が、現在の政治に不満を持っており、「政治にもの申したい」人がフォーラムに参加していることが分かる。

  1. フォーラムへの期待
    1. どのような活動に参加したいか
      回答者はフォーラムの活動に対して積極的である。ただ、研究会や合宿討議などには「参加しない」と回答した人の割合が高く、サラリーマンには、拘束時間の長い企画には参加しにくいようだ。

    2. 関心の高いテーマベスト8
      フォーラムの活動のテーマとして、圧倒的に関心が高かったのが行財政改革(704名)。税金、政治改革と続く。政治改革や、外交といった政策的なテーマと税金、土地・住宅といった身近なテーマが拮抗している。[複数回答]
      1. 行政改革……704(名)
      2. 税金……413
      3. 政治改革……318
      4. 外交・安保……250
      5. 福祉・健康……246
      6. 土地・住宅……225
      7. 政局動向……191
      8. 日本の政治風土……178

  2. 日本政治への関心・要望
    1. 政治への満足度
      政治に対する満足度については、「満足」と答えた人はゼロ。「やや不満」「不満」と答えた人をあわせると約9割であり、政治に対する不満が相当高まっていることが伺える。

    2. 支持政党の有無
      回答者のうち、支持政党が「ある」と答えた人は504人で、「ない」と答えた人355人を上回った。無党派層が増加傾向にあるなかではあるが、フォーラム会員には、政治・政党にへの関心が比較的高いことがわかる。

    3. 投票率アップのための方策
      投票率アップに何が必要かという問いに対し、「政党・政治家が魅力ある政策を示す」と答えた人は、回答者全体の81.2%に上り、投票率低下の原因は現在の政治が魅力に欠けているためと見られている。
      一方、投票制度の改善、例えば、「投票日を土曜・日曜の2日間にする」「投票日を平日とし、勤務地で投票できるようにする」をあげた人が多かった。
      また、自由回答としての、「政党・政治家が公約を責任をもって実行する」(16名)は、「政治の無責任さ」に対する不信感の裏返しと考えられる。
      その他、投票の見返りとして景品や税額控除措置はどうかといった意見や、ペナルティとしては選挙権の一時停止などがあったが、全体としてはムチよりアメといった意見が多かった。また、投票ルール自体に関して「有効投票率が一定率未満の場合は無効」「マイナス票を認める」といった提案もあった。

(注:テキスト版では、グラフを省略しています。PDFファイル版はこちら

第2次橋本政権発足についての豊田会長コメント

11月7日、特別国会で橋本総理が再選され、同日中に第2次橋本政権が発足した。発足に際して豊田経団連会長は以下のようなコメントを発表した。

  1. 総選挙終了後、橋本自民党総裁には、リーダーシップを発揮して組閣を行い、公約の実現に取り組むよう要請してきたが、新内閣の陣容をみると、総理の公約実行への決意があらわれていると思う。
    また、主要省庁の政務次官に、閣僚経験者が就任したことで、政治主導の政策運営が行なわれることを期待したい。
  2. 公約の中でも規制緩和を柱とする行政改革、税制・財政の抜本的改革を速やかに実行に移していただきたい。今後とも、改革の動きに注視していく。
  3. 経団連としても、橋本内閣の改革への取り組みを支援していきたい。

山崎拓自民党政調会長、第2次橋本政権の政策・政局運営に自信

さる1日、山崎政調会長は、政経懇談会において、近く発足する橋本新政権の政策課題を語った。

■霞ヶ関改革-行革を着々と進める■
山崎氏は、「社民・さきがけ両党代表と協議し、3党政策合意を結んだ」として、新政権の目玉となる『霞ヶ関改革』については、「総理直属機関を設置して(1)省庁再編、(2)国・地方公務員の合理化、(3)地方分権などを検討し、1年以内に成案を得る。実現時期については、公約での『国会等の移転の時期(2010年)』より早く、「(霞ヶ関改革の)法案成立後5年以内に実施』するとされた」と語った。
山崎氏は霞ヶ関改革のスケジュールと首都機能移転を切り離したことで「首都機能移転が棚上げになったとも言える」としたが、豊田経団連会長は「首都機能移転は構造改革の起爆剤。政治は一度やると約束したことは守らなければならない」と訴えた。
また山崎氏は、「民主党や、『21世紀』(船田衆議院議員ら)とも政治協議を行うことで合意し、橋本総裁が首班指名される見通しが立った」と語った。


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