足許を見ると、明るい兆しが見え始めているが、このまま一本調子で右肩上がりによくはならない。下期に輸出、設備投資がどれだけ効いてくるかである。
当面の景気より構造改革の方が大事だ。整理できるところは整理して、きちんとした需給関係にもっていく必要がある。
2月末の金融政策、資本市場対策が効果を発揮し、時価総額が50兆〜60兆円上がった。企業収益も増大し、銀行の自己資本も厚くなった。3月危機と言われていたトリプル安は乗り切れた。金融機関も期末を問題なく乗り越えるだろう。
連結付加税は、今年からでも撤廃してもらいたい。わずか1000億円の増税をするために、2年間、実質的に制度導入を見合わせることになるのは好ましくない。法案が出てきた段階で、経団連としても働きかけを行う。
減税については、量的な側面よりも、経済活性化に資する側面を重視すべきだ。研究開発費を減税し新商品創出を促したり、相続税の基礎控除を贈与税に前渡しして行うなどの措置が考えられる。
政治家の倫理は非常に重要であるが、現在の国会審議や景気に悪影響を与えるとは思っていない。新しい政治資金規正法ができても、政治がその運用に通じていないという問題もある。そうしたことも含め、政治のあり方について、もう少し整理した方がよい。