平岩名誉会長ご逝去に際しての御手洗会長談話

2007年5月22日
(社)日本経済団体連合会

ご逝去の報に接し、ただただ残念な気持ちでいっぱいです。

平岩さんは、企業自らが新たな理念、理想を掲げて改革の主体になるべきであるという確固たる信念のもと、経団連を率いられた卓越したリーダーであり、偉大な先輩でありました。

希代の読書家である平岩さんは、「共生」を行動理念に掲げ、国内外における協調と協力の重要性を説き、大胆で先駆的な改革を進められました。とりわけ、企業は社会、自然環境とともにあるという理念は、「企業行動憲章」、「地球環境憲章」の制定という形に結実し、経団連は今もその理念を堅持し、活動原則としています。

また、政策本位の政治、国民の目に見える政治を目指す政治改革を支援することを目標に、政治献金斡旋の中断を決断する一方で、平岩研という愛称で知られる「経済改革研究会」を主導し、今日の官邸主導の政治の実現に先鞭をつけたのも、平岩さんでした。

平岩さんが透徹した哲人の目で見通された時代に、日本は向かいつつあります。経団連で蒔かれた種も、一つひとつ着実に芽を出しています。平岩さんが掲げた理想を継承しつつ、時代の変化に即応し、日本が活力あふれる国として世界の発展に貢献できるよう、経団連を引き継いでまいりたいと存じます。

ご冥福を心からお祈り申し上げます。

<ご参考>
平岩経団連会長の就任期間:1990年12月21日〜1994年5月27日
以上

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