「訪アジア経済ミッション」に関する御手洗団長所見

2007年8月24日
(社)日本経済団体連合会

  1. わが国経済界は、アジア諸国との間で戦略的な関係を構築することの重要性に鑑み、安倍総理のアジア歴訪に合わせ、多様な業種から成る延べ約250名の「訪アジア経済ミッション」(団長:御手洗冨士夫日本経団連会長)を、8月19日(日)から25日(土)にかけて、インドネシア、インド、マレーシアに派遣した。

  2. 本ミッションは各国において非常に温かい歓迎を受け、改めて日本企業に対する期待の大きさを感じた。また、各国首脳、政府高官ならびに経済界との意見交換を通じて、一層の経済関係の緊密化に対する日本の経済界の熱意を先方に伝えることができた。

  3. インドネシアでは、両国首脳との会談の後、日インドネシア経済連携協定(EPA)署名式にミッション団員全員が立ち会う機会を得、両国の経済関係が新たな段階に入ったことを改めて認識した。
    インドでは、「日印ビジネス・リーダーズ・フォーラム」において両国の経済界首脳が日印経済関係の緊密化の方策につき忌憚のない議論を行った。その結果を共同提言としてとりまとめ両国首脳に提出し、世界で最も可能性を秘めた二国間経済関係の強化に向けた新たな一歩を踏み出した。一方、インド政府からは、本年1月に交渉を開始した日印EPAを今後2回でまとめたいという積極的なメッセージが発信された。
    マレーシアでは、日マレーシアEPA発効後1年を経て両国間の貿易・投資が飛躍的に拡大している現状を踏まえ、両国首脳とミッション代表者との会合などにおいて、一層の経済交流の拡大について議論を行った。
    また、各国において、インフラ整備や人材育成に係るキャパシティ・ビルディング、環境協力などの可能性について、対話を深めることができた。

  4. 日本経団連ではこれまで、アジアのダイナミズムを取り込みつつ、アジアと共に豊かさを追求する観点から、アジア諸国とのEPAの「拡大」と「深化」を求めてきた。今回のミッションでは、アジア諸国とのEPAが着実に進展していることを確認することができた。EPAは、グローバルな事業体制の構築を促進する上で強固な経済インフラを提供するものであり、それを活用して貿易・投資の拡大、ひいては経済の活性化を実現していくことは企業の役割である。
    ASEAN各国との二国間の線的なEPAが形を整えつつある中、日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定をはじめ、東アジア(ASEAN+6)に重点を置いた面的なEPAを迅速に締結していく必要がある。日本経団連としては、将来の東アジア共同体の構築を視野に入れて、引き続きEPAの「拡大」と「深化」に取り組んでいく所存である。

以上

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