わが国経済は実質で3四半期連続のプラス成長となったが、景気の実感に近い名目成長率は年率0.9%であり、依然として厳しい状況に変わりはない。輸出、生産は持ち直しているが、設備投資は依然として過剰感が強いことから弱い動きとなっている。個人消費はエコカーやエコポイントといった経済対策の効果により、一部に持ち直しの動きが見られるが、厳しい雇用情勢や所得環境を背景に力強さに欠けた動きとなっている。住宅投資は持ち直しつつあるものの、低水準で推移している。
景気はいまだ民間主導の自律的な回復過程に入っておらず、当面厳しい局面が続く見込みである。特に、デフレや急激な円高が及ぼす影響には注意しなければならない。