IMFとの協調融資や加盟国による基金の創設といったEUの決定は、ギリシャをはじめとしたユーロ加盟国にとって、強力な支援策となったと思う。輸出中心に持ち直しつつある日本経済にとって、為替の安定は重要である。
翻って、日本はGDP比190%以上の債務残高を抱えている。今日のギリシャの危機を他山の石とし、日本政府には、長期的な財政健全化への道筋を早期に示し、抜本的な税制改革を断行してもらいたい。
原子力発電所や鉄道、道路といったインフラ案件の受注には、各国の法律等の制度が深く関係するため、国家間の交渉が重要となる。この分野では官民が一体となって交渉するのが国際的な潮流であるが、日本はこの面で後れを取っている。経済人を伴う閣僚の海外訪問は、この点で重要である。