Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年4月26日 No.3084  第12回WTTCグローバルサミットを仙台、東京で開催 -国を挙げ観光の意義、日本各地の魅力を発信

あいさつする西田・日本組織委員会委員長

世界旅行ツーリズム協議会(WTTC=World Travel and Tourism Council)は16日から19日にかけて、第12回グローバルサミットを仙台、東京で開催した。

WTTCは、世界の観光関連の主要100社の経営者で構成され、国連の世界観光機関(UNWTO)と連携しながら、観光関連業界の発展を支える活動を行っている民間団体。WTTCが毎年開催するグローバルサミットは、国際機関、各国政府、国内外の経済団体やメディア等、約1000名が集う大規模な国際会議である。当初、東京のみでの開催が予定されていたが、昨年3月の東日本大震災を受け、仙台が開催地に加わった。

17日、第12回WTTCグローバルサミット日本組織委員会の西田厚聰委員長(日本観光振興協会会長)は、仙台での開会あいさつで、東京での開会式に野田総理が出席することを正式に紹介、日本が今後観光に国を挙げて取り組むことを世界にコミットするものだという認識を示した。

また、基調講演を行った日本組織委員会副委員長を務める大塚陸毅経団連副会長・観光委員長は、少子高齢化が進むなか、日本では観光は内需を支える重要な産業として強く期待されており、政府の新成長戦略でも柱の一つとして位置付けられていること、昨年の震災を経て、被災地応援ツアー、ボランティアツアー、会議等の東北での開催といった動きが生まれ、被災した地域を下支えする産業として観光の意義が再認識されていることを紹介。「観光による感動が人を育て、強く、優しくする。真のグローバル化に向けて関係者が全力を挙げて『大交流時代』を創っていく必要がある」と述べた。

講演する大塚副会長・観光委員長

野田首相が出席

同日、東京に移って開催された開会式では、野田佳彦総理が、「日本は四季折々に楽しめる素晴らしい観光資源を持つ。日本への観光促進はまだまだ開拓されなければならない可能性の一つ。世界中の一人でも多くの方に日本、被災地・東北に来ていただきたい」と観光による復興と成長に向けた決意を表明した。

今回のサミットでは、世界53カ国から仙台で約700名、東京で約1200名が参加。観光庁は東京会場にラウンジを特設、海外からの参加者に日本各地の魅力を発信、訪日をアピールした。

【産業政策本部】