Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年5月24日 No.3086  訪中ミッションを派遣 -王副総理らと国交正常化40周年を迎えた両国間協力のあり方について意見交換

王副総理(右)と会見する米倉会長

経団連(米倉弘昌会長)は14日から16日にかけて、恒例により中日友好協会の唐家セン会長の招きで、団長の米倉会長、顧問の御手洗冨士夫名誉会長、渡文明審議員会議長をはじめとする10名の団員で構成するミッション(総勢34名)を北京に派遣した。今年は日中国交正常化40周年に当たることから、記念事業の一つと位置付けた。

滞在中、王岐山国務院副総理、唐家セン中日友好協会会長、蔡武文化部長ら中国の官民のリーダーと、国交正常化40周年を祝う日中国民交流友好年事業の進め方、わが国経済界の震災復興の取り組み状況および第12次五カ年計画の下での両国の新たな局面における協力推進策について集中的に意見交換を行った。

王副総理との会見では、副総理から、財政問題等で低迷する欧州各国や米国の経済情勢とその世界経済への影響について強い関心が示された。

そのうえで、アジアの中核国であり世界第2位と第3位の経済大国である中日両国が経済連携を推進し、協力を強化させることの重要性が指摘された。また、欧州の財政問題における解決の糸口が見いだせない理由として、各国の経済問題を過度に政治化しているためであるとの指摘があり、経済問題の政治化を避けるべきであるとの考えが示された。

一連の会合では、中国側から、巨大市場を擁する中国と、最先端技術を有する日本とは相互補完関係にあり、両国のあらゆる経済分野で協力を促進させたいとの強い期待が重ねて寄せられ、特に、人的交流、経済・貿易交流が中日関係の基礎的な役割を果たす柱であるとの考えが示された。

これを受け、日本側からは第12次五カ年計画の下で、日本が最先端技術を有する環境分野や、回復基調にある観光業をはじめ幅広い分野における協力を推進することを提案した。さらには、日中国民交流友好年記念事業の一環として9月に上海で開催するグリーンエキスポの開幕式に中国側首脳の出席を要望したところ、前向きに検討するとの積極的な回答を得た。

また、14日、米倉会長は、訪中ミッションで滞在中の北京において、中日友好協会の唐家セン会長から、日中交流促進の功労者に贈られる称号「中日友好使者」を授与された。授与式で米倉会長は、「着実に発展を続けている中国との友好関係は、わが国経済界にとって、重大な関心事の一つであり、今後もその強化に尽力したい。特に、本年は日中の国交正常化40周年を記念する『日中国民交流友好年』に当たる。このたびの受章を励みとして、両国民の友好の絆を一層深め、日中関係をさらに発展させるよう努めてまいりたい」とあいさつした。

【国際協力本部】