1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2013年1月24日 No.3116
  5. 提言「国益・国民本位の質の高い政治の実現に向けて」を公表

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年1月24日 No.3116 提言「国益・国民本位の質の高い政治の実現に向けて」を公表 -目指すべき政治の姿と求められる政治改革示す

経団連は15日、提言「国益・国民本位の質の高い政治の実現に向けて」を取りまとめ、公表した。わが国が、豊かで活力があり、世界に信頼される国家として存立していくためには、経済と政治が「車の両輪」となって、諸課題の解決に力を合わせて取り組んでいくことが不可欠である。しかし近年、政治の不安定化・停滞により、国益・国民生活の向上に不可欠な政策の適時・適切な遂行に支障が生じている。

そこで提言では、第二次安倍政権がダイナミックに政策を進めることへの期待も込めて、選挙制度改革、立法府改革、政党のガバナンス強化、政治リーダーの登用・育成、政治資金問題など求められる政治改革とともに、経済界としての行動を示している。提言の概要は次のとおり。

1.現状認識

震災復興、デフレ脱却、成長力強化、財政・社会保障改革、エネルギー政策、TPP(環太平洋経済連携協定)、外交・安全保障政策など内外に重要課題が山積し、まさに内憂外患の状況であり、この危機的状況から脱却するためには、強力な政治のリーダーシップが求められる。

2.日本政治の状況

ポピュリズムの政治の傾向、ねじれによる政策遂行の停滞、諸外国との信頼関係構築に支障を来すほどの不安定な政治体制、政党の一体性の欠如、政治とカネの問題により、問題解決能力が著しく低下している。

3.目指すべき政治の姿

目指すべき政治の姿として、ダイナミックな政策をつくり上げる「立案」能力、困難な課題であっても国民の理解を得ることができる「説得力」、政策を適切なタイミングで迅速に実行できる「判断力・実行力」、政策の司令塔の確立が求められ、このための抜本的な政治改革の検討・実施が急務となっている。

4.求められる政治改革

以上のあるべき政治を実現するため、次の政治改革が求められる。

  1. (1)選挙制度の抜本的改革
    衆議院については、中選挙区制のメリットの再評価を含めたあるべき選挙制度の検討、参議院については、道州制導入を視野に入れた地域ブロック制など。また、一票の格差の是正、定数の大幅削減、選挙運動におけるインターネットの活用解禁など。

  2. (2)立法府改革
    根本的な改革としては衆院再可決要件の3分の2から2分の1への見直し、一院制の検討。当面の改革としては、与野党協議による法案の積極的修正、両院協議会の調整機能の発揮、法案の会期不継続原則の廃止と国会の通年化、国会同意人事の見直し、大臣の国会出席義務の緩和。

  3. (3)政党のガバナンスの強化
    綱領や基本政策の確立、政策立案能力の強化、意思決定プロセスの明確化などにより政策本位の政党の活動を強化、また、政党法の制定など政党要件のあり方の法定を検討。

  4. (4)政治リーダーの登用・育成
    幅広い分野から有為な人材が政界に登用される制度・環境の整備。政治家の教育機関や新人議員の研修の充実、政党の人材育成機能の強化。

  5. (5)政治資金問題
    政党助成のあり方を含めバランスのとれた政治資金構造の確立、政治資金の透明性向上、民間寄附の促進。

5.経済界の行動

経済界は国益・国民本位で質の高い政治の実現に向けて、政策提言活動の強化、経団連の主張と主要政党の政策や活動との比較・評価、企業人政治フォーラムを通じた企業人と政治家との対話の促進など具体的に行動していく。

【政治社会本部】

「2013年1月24日 No.3116」一覧はこちら