Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年7月11日 No.3138  ミャンマーにおけるビジネス関連法の整備状況を聞く -日本ミャンマー経済委員会ビジネス環境整備推進部会

経団連は1日、東京・大手町の経団連会館で、日本ミャンマー経済委員会ビジネス環境整備推進部会(安部慎太郎部会長)を開催した。当日は、西村あさひ法律事務所ヤンゴン事務所の湯川雄介代表弁護士から、ミャンマーにおける外国投資法、経済法制、税制等の現状について説明を聞いた。

■ ビジネス関連法の整備状況

ミャンマーでは、2012年11月に新たな外国投資法が制定され、13年1月には、関連する規則と告示が公表されたことにより、外資参入に関する業種制限等が明らかになった。また、7月15日には、ニューヨーク条約(外国仲裁判断の承認および執行に関する条約)加盟の効力が発生する予定であるが、今後、国内での関連法整備も必要になると思われる。

一方、証券取引法については、今年中の制定が見込まれている。知的財産権関連法としては、10年ほど前に制定された著作権法しか存在しないため、現在、世界知的所有権機関(WIPO)の支援のもとで特許法や商標法の制定準備が進められている。会社法の改正については、進捗状況は明らかではない。各国が法整備支援として意見を述べていると聞くが、法律実務は、行政の広範な裁量に基づいて行われているのが現状である。

■ ミャンマーへの進出形態

現地進出の形態としては、大別して株式会社の設立もしくは、外国投資法の適用のない支店の設置の二つの選択肢がある。前者についてはさらに、外資による事業制限の有無や不動産の長期安定利用の可否のほか、税務上の優遇措置、海外送金の制限、ミャンマー国民の雇用義務等を勘案して外国投資法の適用を受けるか否かを判断することになる。例えば、外国人・外国企業は不動産を取得することも、1年を超えて借りることもできないが、外国投資法による土地利用の特例を受ければ、最長70年間借りることが可能になる。

一方、告示上は、飲食物の製造・販売等の42業種が進出する場合、ミャンマー企業との合弁が求められるため、合弁の相手や設立地の選定にあたっては、慎重な判断が必要となる。また、出資比率や合弁解消の手続きに留意すべきである。

なお、全般的に、外国投資法とその関連規則および告示に明記されない事実上の運用ルールがあるため、注意が必要である。

<意見交換>

国営企業との合弁事業における留意点についての質問に対し、国営企業から現物出資される土地等の権利関係の確認や評価等をどうするかという課題があるとの回答があった。

【国際協力本部】