Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年10月3日 No.3148  「第4回グローバル30産学連携フォーラム」を開催 -「グローバル人材を活かす産学連携」テーマに意見交換

講演する奥副会長

あいさつする勝副学長

経団連は9月26日、東京・大手町の経団連会館で、政府が実施している、大学の国際化と国際的に活躍できる人材育成のための事業(『国際化拠点整備事業』、グローバル30)において拠点大学として採択された13大学との共催で、4回目となる「グローバル30産学連携フォーラム」を開催した。「グローバル人材を活かす産学連携」を全体テーマに、大学関係者、企業関係者、留学生支援機関代表など、248名が参加して活発な意見交換を行った。

まず明治大学の勝悦子副学長が開会あいさつし、グローバル人材育成における産学連携の重要性を訴えた。その後、来賓として出席した文部科学省の中岡司審議官、および経済産業省の小川誠審議官からあいさつがあった。

続いて、奥正之経団連副会長から、グローバル人材の育成に向けた取り組みと産学連携に関する基調講演があった。

奥副会長は、グローバル人材が求められている背景として、「『国際化』から『グローバル化』への世界のパラダイムシフトへの対応として、資源国や新興国の成長を取り込んでいくことが日本企業の極めて重要な経営課題となり、海外ビジネスで活躍できる人材の育成・確保・強化が強く求められるようになった」ことを指摘。グローバル人材に求められる素質・能力として、第一に、異なるものを受け入れ、これに適応できる受容力と適応力(Diversity & Inclusion)、第二に、外国語によるコミュニケーション能力、とりわけ世界言語となった英語で読み・書き・聞き・話す能力、第三に、それぞれが強い個をつくり上げることが必要で、そのために「個の強さを知の側面から支える、総合人間力のコアの部分を占める幅広い教養を身につけていることも重要だ」と述べた。

また、グローバル人材の育成に向けた大学の取り組みについては、「すでに多くの大学が、外国人教員の積極採用や留学生の受け入れ拡大、海外大学との連携、四学期制の導入など、大学の国際化に向けて真剣に取り組んでいることに産業界としても大きな期待を寄せている」と指摘。今後、特に注力してほしい取り組みとしては、第一に、『総合人間力』のコアの部分を占める教養教育の充実、第二に、講義のなかで教員と学生の間の双方向のダイアログを思い切って高めることで、学生に主体性や論的思考力、コミュニケーション能力を効果的に身につけさせること、第三に、受験のための受験勉強を見直し、社会において必要となる考える力を中高生の段階から養えるような大学入試や中高大接続のあり方を探ることの3点を指摘した。

フォーラムでは引き続き、東日本と西日本の二つの分科会に分かれ、グローバル人材育成における大学への期待や、グローバル人材育成のための産学の接点、共同の取り組みについて企業代表、留学経験者、大学関係者等による活発なパネル討議が行われた(分科会での討議は次号掲載)。

最後に、東北大学の山口昌弘総長特別補佐があいさつし、グローバル30事業は今年度をもって終了するが、事業終了後も、経済界とグローバル30の採択13大学が引き続き緊密に連携していくことを確認し閉会した。

【社会広報本部】