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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年4月3日 No.3172 カムイシェフ・ガスプロム銀行第一副社長と懇談 -日本企業との協力に意欲/日本ロシア経済委員会

経団連の日本ロシア経済委員会(岡素之委員長)は3月18日、東京・大手町の経団連会館でガスプロム銀行のデニス・カムイシェフ第一副社長との懇談会を開催し、エネルギー分野をはじめとする幅広い産業分野における活動や、日本企業との協業の可能性について説明を聞くとともに、意見交換を行った。カムイシェフ氏の発言要旨は次のとおり。

1.ロシア国内で幅広い金融サービスを提供

ガスプロム銀行は、ロシアと中・東欧地域で第3位の規模を誇り、ロシア国内の43の支部と260の銀行支店を通じて4万5千社以上の企業と約400万人の個人顧客向けに金融サービスを行っている。一般的な金融サービスに加えて、投資銀行として各種プロジェクトへの投融資も実施している。

2.多彩な関連会社と協力し国内外の各種エネルギープロジェクトを実施

世界有数の天然ガス生産企業であるガスプロムが株式の35%を保有する当行は、特にエネルギー分野に強みを持つ。例えば、サハリン2やヤマル半島プロジェクトなど、ロシアの過去20年間のエネルギー分野における取引の多くに、直接・間接に関与している。また、ガスプロムとLNGプロジェクトを推進するとともに、ロスネフチ、ノバテクなどのエネルギー企業が株式を公開する際に協力するなど関係を構築している。

子会社や関連会社も多く、石油・ガス分野の探鉱・地質評価、掘削・生産、エンジニアリング、関連機械製造に加え、鉱山開発、再生可能エネルギー、石油化学、原子力発電、ガスタービン製造などの分野も網羅している。ガス分野の関連会社はロシア国内に加えて、ウズベキスタンやアルジェリアなどでも活動している。

3.国際市場への展開において日本企業との協力に期待

ロシア以外の新しい地域への進出にも積極的に取り組んでいる。これまで、ベラルーシ、アルメニアなどの旧ソ連諸国や、スイスやルクセンブルグなど欧州に銀行子会社を設けている。

また、代表部をインド、中国、モンゴルに有し、最近では新たに南アフリカに設置する準備を行っている。サブサハラ・アフリカ地域では多くの日本企業が活動しており、当行の関心とも一致することから、協力の可能性を模索していきたい。

また、中期的計画として、日本にも代表部を設置したいと考えており、実現した暁には、将来の起債なども視野に両国金融市場の連携強化に貢献したい。

4.最近のウクライナ情勢の評価と展望

最近のウクライナ情勢をめぐり、欧米諸国による対ロシア制裁の動きがある。しかしながら、ロシアはすでに世界経済に深く組み込まれている。欧米企業は、エネルギーや軍需分野においてロシアに巨額の投資や取引を行っていることや、制裁によって欧州の雇用減少を招く可能性もある。現況は予断を許さないものの、事態がさらに悪化しない限り、現在の制裁が与える影響は限定的とみている。

【国際経済本部】

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